探偵というと、かなりグレーな存在であることは多くの人が知る所です。

 

人の目をはばかり、人知れず調査を行う社会の影のような存在。一般的には浮気調査をメインに行っている怪しい人々。社会的規範や常識から逸脱した集団というのが率直な感想でしょう。

 

ただ、そんな探偵たちにも正義というものが存在します。

 

彼らには彼らのルールがあり、そのルールを破るような存在は徹底的に戦う姿勢を見せ、公の場で声を出すことすらあります。

 

■探偵が最も許せないのは悪徳探偵事務所である

 

 

探偵が最も許せないのは、浮気をする人間でも、悪質な犯罪を行う人間もありません。

 

探偵にとって最大の敵。それは「悪徳探偵事務所」にほかなりません。

 

悪徳といわれる探偵事務所は、この業界ができた当初から業界内に多数存在していましたが、平成19年から施工された探偵業法(正式名所:探偵業の適正化に関する法律)を切っ掛けとして、業界内から追い出されていきました。

 

探偵業界にとって、悪徳探偵事務所はデメリットしか生みません。

 

もちろんその理由は、悪徳探偵事務所のせいで探偵業界のイメージそのものが再び悪化してしまうからです。

 

健全化を進め、より多くの人に探偵事務所を安全に利用してもらおうと努力している事務所にとっては、これ以上の敵は存在しないのです。

 

■悪徳探偵事務所を追い出すために探偵も必死

 

探偵業界に悪徳といわれる業者がはびこった原因は、探偵業を守るための法律が存在しなかったのが一番の理由です。

 

探偵業法ができる前、探偵は誰もが簡単に始められるだけでなく、その前歴や仕事の内容まで、なにもかもが監視されることはありませんでした。

 

その結果、探偵業界は多くの悪徳探偵事務所にあふれ、調査方法もめちゃくちゃ。法律をやぶるのは当たり前で、盗聴器の使用を推奨しているような事務所すら存在したのです。

 

ですが、それを良しとしない探偵も少なからず存在しました。

 

2000年初頭、探偵業界には大手と言われるような大手探偵事務所が次々と生まれており、それらの探偵事務所にとって、悪徳探偵事務所は非常に厄介な存在でした。

 

健全で業界の成長を願う優良探偵事務所は、当然依頼者の信頼を勝ち得ますし、そのおかげで成長していきます。

 

ですが、その成長も隣の悪徳探偵事務所のせいで止められてしまうのが現状。違法調査を平気で行い逮捕されるような事務所のせいで、まじめな探偵事務所への依頼まで減ってしまうのです。

 

狭い業界ではこういったことは普通に起こります。

また、探偵事務所はそもそもほかの業種に比べてイメージが悪いこともあり、悪徳業者から受ける不利益はとても大きいのです。

 

 

さらにこの問題に拍車をかけたのが、逗子で起きたストーカー殺人事件。

 

この事件でストーカーに情報を与えた探偵は無許可で事務所を経営、さらには違法な手法で個人情報を入手し、犯人に情報を提供していたのです。

 

これにより、探偵業界の信用は恐ろしいほどに低下しましたが、国もいよいよ悪徳探偵事務所の規制に動きはじめ、なんとも皮肉なことに、ようやく探偵業法が作られることとなったのです。

 

■悪徳探偵事務所への注意を呼び掛ける事務所は多い

 

探偵というと、まっさきに悪徳探偵事務所の存在を思い浮かべる人は多いはずです。

 

というのも、インターネット上では様々なサイトで悪徳探偵事務所についての記述が存在するからです。

 

これは多くの人が悪徳探偵事務所を恐れているのと同時に、悪徳探偵事務所に関する注意喚起を行う事務所が多数存在するからでもあります。

 

ただし、残念ながら悪徳探偵事務所に関する注意喚起を行うほどに、ネガティブなイメージを植え付けてしまうことにも繋がっています。

 

それでも、やはり悪徳探偵事務所について知ってもらうことで、最終的には優良な探偵事務所が業界内に残り、多くの依頼者の方により優良なサービスを提供するためには必要なことかもしれません。

 

それほどまでに、私たち探偵にとって悪徳探偵事務所は許せない存在です。

 

正義という言葉には縁遠いと思われがちな探偵ですが、もし、私たちに正義というものが存在するなら、悪徳探偵事務を許さないという気持ちは、確かに正義ともいえなくないのです。