前回は調査案件の加害者側にたちやすいパーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害を紹介しました。

自己愛性の人が利用する人は二通りあって、

自分を称賛をする人と、現実的な問題を処理してくれる、執事、家政婦、奴隷のようなタイプです。

後者のような自分が利用しやすい奴隷タイプを嗅ぎ分ける嗅覚のようなものを自己愛性の人はもっています。

自分はその気がなくても、自己愛性の人は接近して、奴隷にされてしまうかも知れません。

(性癖のSとかMとかの話ではありませんよ! 誤解のないように……)

そんなターゲットになりやすいタイプが今回初回する依存性パーソナリティ障害です。

精神科医の岡田尊司さんの著作を参考に依存性パーソナリティ障害について考察します。

 

 

 

依存性パーソナリティ障害の特徴「一人ではいきていけない!」

 

依存性パーソナリティ障害の特徴は、自分の主体性を放棄し、他者に委ねてしまっています。

自分で物事を決めることができません。

些細な決定も、親やパートナーに頼っています。
一人が苦手でいつも誰かいないと不安になっったり、虚しさを感じて自分を紛らわすことができません。

 

カモになりやすい自己愛性パーソナリティ障害のタイプ

 

依存性の人にも二通りあります。

赤ん坊型と献身型です。

赤ん坊型は文字通り、誰かに全てをやってもらい導いてもらわないと何もできません。
過保護に育てられ、先回りして親に何でもやってもらった人に多いです。
赤ん坊型だと、自己愛性の人が求めている家政婦、奴隷にはなりません。
逆に世話をしないといけないので、接近するメリットがないからです。

献身型の人が自己愛性の人のターゲットになります。
日常生活的には問題がなく、活動的ですが、心の中では頼りたい意識があります。
自分が頼れる理想の人を投影して、
「私の運命の人はこの人だ!」
と思ってついていきます。

女性にはありがちな傾向でしょうが、依存性の人はそれが極端なんでしょう。
いいパートナーや指導者に恵まれれば、力を発揮できますが、頼る相手を間違えると不幸になります。

自己愛性の人は別れるのが苦手です。

他人が自分から離れていく、見放されると思うとものすごい恐怖心が襲ってきます。
宗教や特定の団体に入って抜けられなくなったり、もし交際している異性が犯罪行為や薬物に依存していても逃げることができません。
自己愛性だけでなく、反社会性パーソナリティ障害の利用されやすいと言えます。

いざ別れてしまうと、孤独が怖いのですぐに新しい恋人を作ったりします。
しかも、恋人選びの基準はいつも側にいてくれる人なので、利用されたり、ヒモ状態になったりします。

薬物に依存、アルコールに依存、とありますが、依存性の人の場合は、人に依存していると言えますね。

 

自己愛性と依存性の相互依存関係

 

自己愛性のパートナーが問題行動を起こしても、依存症の人は黙認して、仕方がないと諦めて、自分はに働いたり、家族に尽くしたり、献身的な態度を崩しません。

依存性の人が献身的に行動すればするほど、自己愛性の人の立ち直りが遅くなります。

依存性の人には無自覚かもしれませんが、献身をすることで、パートナーとの結びつきが強くなって、2人は離れがたくなります。

無意識にパートナーを頼っているし、関係を終わらせることに恐怖を感じているのです。

 

自己愛性の人が調査対象になってしまうことも……

 

自己愛性の人が被害者になってしまう話題ばかり出しましたが、献身的な依存が行き過ぎて調査対象になる場合があります。

 

ノーと言えないの人妻の末路

 

彼女は職場の複数の男性と性的な関係を続けていました。
彼女はノーと言えないタイプ。
ノーと言った時に、相手のがっかりする顔を想像すると拒むことができません。
美人で押しに弱いタイプだと知った男性たちは次々とアタックして、収拾がつかなくなってしましました。

 

誘いが断れない独身女性の末路

 

職場の人に誘いを断れずに行った集会で宗教にハマってしまいます。
「あなたが出家しないと、家族は不幸になってしまうよ」と洗脳され、
突如、アパートから失踪します。

両親からの依頼で、早急に調査を開始できたのが幸いして、彼女を宗教団体の合宿所から救い出すことができました。

 

まとめ 依存性パーソナリティ障害の人は奉仕する仕事が向いている

 

相手に尽くしたいという、人間のいい部分を利用されてしまうのはなんとも悲しいです。
人間社会は甘くない、
岡田尊司氏は著書で依存性パーソナリティ障害の人は奉仕する仕事につくことを推奨しています。
・奉仕する仕事につくことで、献身欲求が満足される。
・奉仕することの限界を知り、仕事の枠組みの中で献身できるようになり、利用されなくなる。
と言います。

もし、当てはまる場合は、利用する人を断ち切り自立する道を歩んでいただきたいです。