刑事ドラマや漫画、アニメでは探偵と警察が互いに協力して事件の調査を行っている場面が多く描かれています。ただ、現実世界では探偵と警察が協力して調査を行うことはほとんどありません。探偵と警察の調査内容は異なっており、それぞれすみ分けをして調査にあたっています。今回は、そんな探偵と警察の違いについて、詳細を解説していきます。

 

 

探偵と警察の違いとは

 

探偵と警察の違いとして、下記の点が挙げられます。

 

・調査内容の違い

・法律によって身分が保証されているか

 

調査内容の違い

 

探偵と警察の違いとして、まず挙げられるのが「調査内容の違い」です。警察の場合は「刑事」を扱います。刑事とは犯罪や違法行為に関わる事件のことです。未成年の誘拐事件や失踪事件などは犯罪である可能性が高いので、刑事扱いになることが多いですね。逆に、成人の失踪の場合は、事件性が低いとされると警察は中々動いてくれません。

 

これに対して探偵は「民事」を扱います。民事とは個人間の問題に関する案件です。浮気調査や素行調査、雇用調査などは民事の範疇になります。警察が動いてくれない民事の調査案件を探偵が請け負っているという形ですね。

 

ストーカー規制法が整備されるまでは、警察はストーカーの捜査に消極的でした。警察としては違法行為と認められる根拠がないと、捜査に踏み込めないのです。探偵の場合は、違法性がなくても各種調査を行ってくれます。情報や証拠を集めたいときは、探偵に依頼した方が確実ですね。

 

法律によって身分が保証されているか

 

探偵と警察の違いとして、「身分が法律で保証されているか」という点が挙げられます。警察の場合は、法律によって身分が保証されており、民間人では許されていない行為を行うことができます。たとえば、令状をもっていれば人を逮捕できたり、拳銃の保持が許可されていることなどが挙げられますね。

 

これに対して、探偵は法律で身分を保証されていません。あくまでも「一般の民間人」と身分は同じです。このため、探偵だからといって操作のためにストーカーまがいの行動をしたり、盗聴器を無断で設置することなどは禁じられています。

 

 

探偵に依頼するメリット

 

警察は基本的に事件性のある捜査しか行ってくれません。そのため、浮気調査や素行調査、雇用調査、信用調査などを行ってくれることはまずないとみてよいでしょう。事件が起こってから初めて動けるのが警察です。探偵であれば、事件性の有無に限らず、各種調査を請け負ってくれます。

 

また人探しについても、警察の初動は正直なところ迅速とは言えません。というのも、警察の人探しでもまずは事件性の有無がチェックされます。未成年が行方不明になった場合は、事件性が高いため比較的早く捜査に乗り出してくれますが、成人の失踪の場合は、事件性の確認がとられてからの捜査になります。また、警察の業務はあくまでも「市民全員の生活」のためにあるものなので、捜索願が出ている段階でも市民生活に関わる事件が発生した場合は、人探しの案件は後回しにされてしまいます。

 

この点、探偵に人探しを依頼すれば、自分の依頼を最優先に捜査してくれます。同じ生活エリアで大がかりな事件が起こったとしても、探偵は依頼を受けた調査を第一にして行動してくれるのです。

 

探偵と警察だと、組織としての規模の大きさに差があるので、探偵の調査能力を不安視されるかたもいるかもしれません。ただ、探偵が受ける依頼の多くは調査業務であるため、各種調査のノウハウは蓄積されています。また、探偵事務所同士のネットワークを構築している事務所もあり、情報を共有して調査を進めるところもあります。警察の方が捜査の規模は大きいですが、探偵もノウハウや経験を活かして調査を行ってくれるので安心です。

 

まとめ

 

探偵と警察は、扱う調査内容に違いがあります。探偵は民事、警察は刑事調査をそれぞれ扱っており、特に警察の場合は事件性が薄いと中々動いてくれません。探偵の場合は、依頼された調査を第一に行動してくれます。浮気調査や素行調査、雇用調査など事件とは関係のない調査の場合は、探偵に依頼するようにしましょう。

 

人探しの場合は、対象者が未成年であったり、事件に巻き込まれた可能性が高い場合は、警察に依頼します。成人の失踪の場合は、事件性の有無が確認されてからの捜査になるため、警察に依頼するよりも探偵に依頼した方がスムーズに調査を進めてくれます。

 

探偵は警察と異なり、法的に身分が保証されている訳ではありません。そのため、一般人と同様に法律が適用されます。ストーカーまがいの調査は違法となることもあるので、探偵事務所に依頼する前に、評判や口コミを確認することをおすすめします。また、警視庁のサイトには過去に行政処分を受けた探偵所が記載されているので、こちらも合わせて確認するようにしましょう。