ケイト・コーエン・ポージー著「いじめられっ子の流儀」は、いじめっ子の意地悪な言葉に対して、ちょっとひねりの言葉を使って返して、相手がそれ以上、意地悪な言葉をかけられないようにする方法を紹介しています。
普通、意地悪な言葉を言われたら、ショックでシュンと沈んでしまうか、ストレートに怒りを爆発してしまいがちです。(某映画スターのアカデミー賞の行為のように)
それを、ひねった言葉で切り返すことで、自分への攻撃を跳ね返して、逆に相手に反省を促すのです。
海外ドラマや映画のひねりの利いたセリフや、お笑い芸人の絶妙なコメントに近いかもしれません。実践するのは難しいし、日本でも同じようにやって同じ効果があるかは疑問です。
でも、その考え方を知ることで、イヤな言葉をかけられても、受け流すことはできるかもしれません。
もちろん暴力をふるう相手には通用しないので、別の対処法が必要になります。

 

 

いじめやからかいの原因

 

本著ではいじめやからかいを行う人は、もともとは普通のいい人間だったと解釈しています。なんらかの原因でストレスがたまり、そのはけ口として、自分より弱い立場の人間をターゲットにしているといいます。言われた側はその言葉に怯えや怒りでは返すのではなくて知恵で対処し、相手の本来持っている人間らしさを思い出せることだと言います。

 

褒め言葉で返す

 

意地悪な言葉をかけられても、それを褒めに変換します。
たとえば、「ピザ顔だな(ニキビ面だな)」とからかわれても、「ありがとう。僕の顔をよく見てくれてるんだね。僕のことをそんなに好きなの?」

 

質問で返す

 

いじめっ子の言う意地悪な言葉は、合理性や根拠がありません。「なぜそんなことを言うの?」と返すと、最終的には言葉に詰まってしまいます。いじめっ子は好んで意地悪な言葉を投げかけているのではなく、自分の無意識に溜まった怒りをぶつけているだけです。言葉をかけられた側は、一段上に立って冷静に対処することで、この世の意地悪を防ぐことができます。ここで相手に反論してはいけません。「逆行の法則」といい、相手の意見に反論をすると、相手は自分が重要なことを言ったと認識し、相手は余計に自分の言葉に確信を持つからです。

 

賛同する

 

いじめっ子はターゲットを動揺させたいがために言葉を投げかけているのに、相手の言葉に賛同したら、相手は攻撃の対象を失ってしまいます。殴られる前に相手が後ろにふっとぶ感じでしょうか。

 

本当の気持ちを話す

 

これまで紹介した切り返しはやはり上級コースで、よほど冷静で余裕がないと難しそうです。傷ついたら傷ついたとはっきり気持ちを話すのが、自然でときに解決の近道になる場合があります。