読売新聞の取材班の渾身の記事「許すな、わいせつ教員」この記事がきっかけになって、
2022年4月に「わいせつ教員対策新法」が施行されました。
今まで闇に葬られていた教員の犯罪が白日の下にさらされました。

 

教室に潜む犯罪者・わいせつ教員の実態

 

教師の立場を利用する卑劣な手口

 

児童に教員が施すわいせつ行為が暴かれにくい原因の第一は、被害者が子供だけに、そのときに何をされたのか、子供自身が気づかない場合が多いからです。
かなり後になってから、「あれは性暴力だったのか」と気がつくのが大半です。
さらに生徒は教師に対して、絶対の信頼と尊敬をしているので、「そんな人が酷いことをするワケがない」という思いこみがあるので、抵抗できずその場では抵抗できません。
しかも、目隠しをされるなど、自分で実際に何をされているのか分からない状態で行為が多いようです。
少子化で生徒の人数が減ったことで、どの学校にも多くの空き教室があり、そこが白昼の死角となって、犯行現場になります。
生徒もスマホを持つようになり、SNSで被害者の生徒と連絡をとり呼び出します。
現代の教育現場の状況が、ますます性被害を起こしやすくしていると言えそうです。
教員は被害者の生徒に対して、ものをあげたり、特別扱いしたりして、まず手なずけを行います。
生徒を自分になつかせていると、より犯行を行いやすくなるからです。さらに口止めをしておけば、犯行後も外に洩れる心配を減らせるというわけです。
それを「グルーミング行為」といい、犯罪の予備行為として禁じる動きもあります。
外から見ると、本当に生徒を思って行っているのか見分けがつきにくいのも問題です。
生徒と教師間の関係で、なかなか外部が踏み込めなかったために、犯罪を助長してしまった側面もあります。

 

犯罪が隠蔽されて、再犯を繰り返す場合も

 

教師の性犯罪が暴かれなかったのも、学校や教育委員会が隠蔽体質で犯罪を隠そうとしてきたからです。
官報では懲戒免職になった教師の名前を掲載する義務がありますが、わいせつ教員は被害者のプライバシーを守るという名目でその名前が載るのを免れる場合があります。
また児童の裸を撮影しネット販売した教師は、担任のクラスの生徒ではなかったために、懲戒免職にはならず、停職処分だけで済まされています。
また、犯行が発覚しても、保護者側が表沙汰にしたくない場合もあります。
いずれも、犯行が隠蔽され、教育現場に残った教師がまた犯行を繰りかえす危険を残しています。
「わいせつ教員対策新法」によって、状況が改善されるのを期待します。