慶應義塾大学教授満倉靖恵氏が発明した「感性アナライザ」は人間の感情を波形で感知します。様々な状態の脳の波形を調べるうちに、不機嫌の恐ろしさが解明されました。
「不機嫌ハラスメント「フキハラの正体」」は、不機嫌であることの恐ろしさを教えてくれます。
人間は生まれつき不機嫌を感知する力がある
黙っていなくても不機嫌が他人に伝染することをお伝えしました。満倉教授は脳から出すオーラを「ノーラ」と名づけています。もっとも強力なノーラが不機嫌ノーラです。黙っていても不機嫌なだけでも相手にその不機嫌が感知されるだけでなく、なんと、相手の不機嫌を感じ取った側の方がより強いストレスを溜めるようになるのです。となると、ストレスを感じた人の側にいた人はさらにその人よりストレスを感じていることになります。ドミノ倒しのように不機嫌が広がり最終的には巨大な不機嫌の台風のようになってしまうというのです。実際に職場、学校、家庭など閉鎖された空間では集団感染のように不機嫌が充満してしまいます。ある意味、ホントの感染症以上に警戒しないといけないかもしれません。
女は強くてつらい? 生理のときには生産性が半減
脳派を調べてみると、男性よりも女性の方がストレスに対して2倍も耐性が強いことが分かりました。ところが、ひとたび生理に入るとストレス耐性と集中力が半減します。普段は男性以上に働ける女性でも、生理中に入ると実力が発揮できないようです。ジェンダーフリーを掲げる職場なら、女性が不利な状況も考慮した環境を整えていただきたいですね。
不機嫌を逆手にうまくやる方法はあるのか?
では人の不機嫌を受けない、また自分の不機嫌を人に移さないにはどうしたらいいのでしょう?
それもやはり感染症と同じように近づかない距離をとるのが一番のようです。嫌なことがあった日は、親しい人と一緒にいて愚痴でも話したいものですが、他人に愚痴を聞いてもらっても、不機嫌事態は解消されないようです。逆に対人関係のトラブルになりかねないので、基本は一人でいる方がいいようです。
また不機嫌な状態にはマイナスばかりではないようです。不機嫌になりやすい状況の方がかえって集中力は向上するというのです。適度に緊張できる状況の方が集中力を高められるのだとか。不機嫌とは適度な距離をとりながら、プラス面だけが活用できたらいいですね。