人間心理の不都合な真実を解き明かすエリック・バーカーの『残酷すぎる人間法則』では第一印象で人を判断することの危うさを警告しています。
しかし、第一印象で7割方相手の情報を正確に読み取るのだとか。「意外と正確」だと思うかもしれませんが、残りの3割があぶなかった。仮に第一印象で「誠実そうな人」と読み取った場合、後で誠実さが崩れる事実に直面しても、第一印象が拭えないために、ずっと誠実な人だと思い込んでしまうのです。これにつけこむのが詐欺師の手口。最初は親切にしておいて完全に相手が信頼したところで騙すのです。

 

第一印象は本当に全てを決めるのか

 

第一印象のパラドックス

 

多少なりとも「こいつは怪しいかもしれない……」という疑惑の心があっても、「イヤイヤあの人に限ってそんなはずはない」と打ち消してしまう
機能が人間の脳には備わっています。それが『確証バイアス』です。自分の信念と一致する情報ばかりを探して、信念を否定するような情報はスルーしてしまうのです。人の第六感は瞬時に働き、それをアップデートすることは至難の業。これを第一印象のパラドックスと言います。また第一印象が悪い場合、本当はいい人だとしても、相手もあなたがいい印象を持たなかったことに気づき距離をとります。かくしてなぜか始めて会ったときから何故かそりが合わない人が1人増えることになるのです。第一印象で人を判断する弊害は思った以上に大きいですね。

 

確証バイアスを防ぐ3ステップ

 

このように確証バイアスは対人関係に様々な弊害をもたらします。それを防ぐための方法を『残酷すぎる人間法則』では3ステップで紹介しています。

1.説明責任を果たす
自分の見解が相手の死刑につながる大問題なら、もっと慎重に徹底的に吟味するはずです。説明責任を果たせるくらいに、人を判断するときに証拠を徹底的に見直すようになるといいます。

2.判断する前に距離をとる
合理的で客観的な判断をするには、一歩下がって、より一般的な観点から状況を想像するようにすることが大切です。いい判断ができるだけでなく自己評価も高くなり、感情的な反応も少なくなります。

3.反対の立場から考えてみる
脳は自分の求める情報と一致するものを記憶し、そうでないものを無視します。そのため正確に相手を見ようとするなら、脳の機能の逆のアプローチをしなければなりません。そのために自分の視点ではない様々な角度から物事を考えることが必要です。

第一印象について分かったのは、誤解されないように第一印象を良くすることが大事なことと、第一印象が悪かった人に先入観を持たないことでした。
結婚した後に、相手の本性がわかり離婚へまっしぐらになるのはこの原理です。