日本全国季節を問わず人間の居住区に頻繁にクマやイノシシいわゆる害獣が出没するようになりました。あなたのお住まいの地域にもいつクマが出てくるか分かりません。この現象は日本だけでなく、世界全体で起きているようです。
ピーター・アラゴナ著「都市に侵入する獣たち クマ、シカ、コウモリとつくる都市生態系」では、なぜクマが都市に出てくるようになったのか詳細に解説しています。その内容をわかりやすくまとめてみました。

 

 

元々、害獣と人間は同じ所に住んでいた

 

太古の昔、田畑を耕して農作物をこしらえる技術がなかった時代は、当然、人類も狩猟生活で食べる物はクマと同じように、森や川・海など大自然から採取していました。クマと食べるものは一緒なので、住む場所も近所に住むことになります。

現在では大都市と呼ばれる地域でも、元々は狩猟がやりやすい、つまり植物・動物が豊富に生息する地域でした。それが、農耕を行うようになると、人間とクマとの住む場所に隔たりが生まれます。人間は田畑のある方へ、クマは段々と森林の方へ追いやられることになります。

 

いったん減った害獣だが、再び増加傾向へ

 

森へ追いやられて、一旦数を減らした害獣達ですが、やがて人間が都市へ暮らすようになると、必要なのが家を造るために必要な材木。木を育てるために植林が行われて、自然と森も食べ物も豊かになりました。そこで、害獣達はのびのびと暮らして数を増やしていきました。増加する害獣たちに対し、ハンターの方は高齢化し、ハンターになっても高額な報酬が貰えるワケじゃないので、数は減っていきます。ますます害獣が増える結果になりました。

ところが、時代が変わって、木材ではなくコンクリートや鉄筋で建物が造られるようになると、植林をするメリットがなくなり、森が痩せてきます。

 

食べるに困ったクマが都市に出没

 

そこで餌を求めて害獣は都市に出没。都市には賞味期限切れで廃棄された食べ物が大量にあります。森では食べ物に困っているので、害獣にとってこんなにいい環境はありません。いったん都市に現れた害獣は、子供達に都市への侵入の仕方を伝統で伝えていきます。

仔牛を襲ったことで有名になった「oso18」ですが、元々雑食系だったクマは、一旦牛肉の味を覚えると、体質が変化し、肉食系になったようです。害獣も都市の食べ物の味を覚えるとスッカリその味に慣れてしまって、もう森林の素朴な食べ物の味には戻れなくなってしまうのです。

なかなか一筋縄では都市の害獣問題は解決できそうにありませんね。

本書では、駆除や保護だけでなく、害獣達と共生する道を提案しています。

探偵とは無関係のようですが、このように一度不倫の味を味わってしまうと、抜け出せなくなる人は多いです。
探偵に証拠を取られて、不貞相手と解消をしてもこのクマのように戻れなくなり繰り返していく…
という人もいるようです。