現代社会では、詐欺の手口が日々進化しています。ニュースや報道を見聞きし、「自分は騙されない」と思っていても、油断は禁物です。詐欺師たちは常に新たな手法を生み出し、私たちの財産を狙っています。
特に最近は、40代から60代の働き盛りの人々が詐欺の標的となるケースが増えています。これは、彼らが比較的経済的に安定しており、投資や資産運用に関心を持つ傾向があるためです。また、インターネットの発達により、SNSやオンライン広告を利用した詐欺が横行しています。
ここでは、梅本幸行・桜井礼子著『知らないと騙される!詐欺の最新手口』から最新の詐欺事例を紹介しつつ、探偵業と関連づけて考察していきます。
最も増加している詐欺のひとつが「SNS型投資詐欺」です。
2024年に入って急増しており、被害者の多くは50代、60代の男女です。詐欺師はSNS広告や投資系のオンライン掲示板を利用してターゲットを見つけ、グループLINEなどに誘導します。そして、架空の投資話を持ちかけ、出資金や手数料を騙し取るのです。
探偵業界でも、こうした詐欺の被害者からの相談が増えています。たとえば、「投資先の会社の実態を調査してほしい」「相手が本当に実在する人物か確認してほしい」といった依頼が寄せられることがあります。特に、海外の投資案件や仮想通貨関連の詐欺では、詐欺師の身元が不透明なことが多く、調査が困難になるケースもあります。
投資詐欺の典型的なパターンとして、「必ず値上がりする未公開株をあなただけに提供する」「絶対に儲かる外国通貨取引」などの甘い誘い文句があります。しかし、投資には必ずリスクがあり、「絶対に儲かる」などという話はあり得ません。
探偵の視点からすると、投資相手が本当に存在するのか、事業の実態があるのかを調査することで、被害を未然に防ぐことが可能です。怪しい投資話を持ちかけられた場合は、事前に専門家に相談することが重要です。
「SNS型ロマンス詐欺」も近年急増している詐欺のひとつです。
これは、マッチングアプリやSNSを通じて知り合った異性に恋愛感情を抱かせ、その感情を利用して投資話や事業資金提供を持ちかけ、お金を騙し取るという手口です。
探偵業界では、こうしたロマンス詐欺に関する調査依頼が多く寄せられています。「オンラインで知り合った恋人が本当に実在するのか」「相手の素性を調べてほしい」といった依頼が後を絶ちません。特に、顔を一度も見たことのない相手に大金を送ってしまった後で不安になり、調査を依頼するケースが増えています。
ロマンス詐欺の被害者は40代から60代の男女が多く、特に男性は50代、60代、女性は40代が多い傾向にあります。詐欺師は「あなたのことを本気で愛している」「将来一緒に暮らしたい」などの言葉を使い、相手の警戒心を解いていきます。そして、最終的には「事業資金が必要」「家族が病気で治療費が必要」などの理由で金銭を要求してくるのです。
探偵による身元調査を行えば、相手が本当に実在する人物なのか、詐欺グループに属しているのかを判別できます。オンラインで知り合った相手に大金を送る前に、一度冷静になり、調査を依頼することが望ましいでしょう。
「還付金詐欺」は、年金や医療費、定額減税などの政策を悪用した詐欺です。
詐欺師は電話をかけてきて、「今回、特別に還付金が支給される」と言い、ATMへ誘導し、携帯電話越しに操作を指示します。その結果、被害者は自分の口座から詐欺師の口座へ送金してしまうのです。
探偵業界でも、還付金詐欺の調査依頼が発生することがあります。たとえば、「どこから電話番号が漏れたのか」「詐欺師の背後にどのような組織があるのか」といった調査です。還付金詐欺を防ぐためには、「役所が電話で還付金の連絡をすることはない」という基本的な知識を持つことが重要です。
また、最近の詐欺グループは巧妙化しており、コンビニの店員がATMでの不審な振り込みを阻止しようとすると、逆にクレームの電話を入れて妨害するケースもあります。このような手口を知っておけば、詐欺の兆候をいち早く察知し、被害を防ぐことが可能です。
詐欺の被害を防ぐためには、情報収集が重要です。特に、怪しい話を持ちかけられたときは、安易に信じるのではなく、冷静に考え、専門家に相談することが大切です。
探偵事務所では、詐欺被害に遭った人々のために以下のようなサポートを提供できます。
- 投資詐欺に関する企業や個人の身元調査
- ロマンス詐欺の相手の実態調査
- 口座の不正利用や情報漏洩の調査
詐欺師たちは常に新しい手口を編み出し、私たちの財産を狙っています。しかし、正しい知識を持ち、事前に調査を行うことで、多くの被害を未然に防ぐことができます。探偵の調査を活用し、冷静な判断を心がけることが、詐欺対策の鍵となるでしょう。