夫婦という関係であっても、一方が相手に対して過度に執着し、自由を制限する行為が続くと、それはストーカー行為とみなされることがあります。

近年、配偶者間のストーカー行為が問題視されるケースが増えています。離婚を切り出した際や、別居後などに、夫が妻に対して執拗に連絡を取ったり、行動を監視したりすることがトラブルの要因となることがあります。

では、どのような行為がストーカーに該当するのでしょうか?

 

夫婦間でもストーカー行為になるの?尾行やSNSの監視

 

夫から妻への行動がストーカーとみなされる可能性がある具体的な例を挙げてみましょう。

 

夫が妻に対して、必要以上に頻繁に連絡を取る行為はストーカー行為と見なされる可能性があります。

  • 電話やメッセージを1日に何十回も送る
  • 妻の返信がないと怒り、執拗に返答を求める
  • SNSで妻の投稿やフォロー状況をチェックし、行動を監視する

こうした行為は、妻の精神的な負担を増大させ、自由を奪うものとなりかねません。

 

夫が妻の行動を逐一把握しようとする行為もストーカーに該当する可能性があります。

 

  • 妻の帰宅時間を厳しくチェックする
  • 勝手にスマートフォンのGPSを利用して居場所を確認する
  • 仕事場や友人との会合に無断で押しかける
  • 別居後、自宅や勤務先の周辺で張り込む

相手の生活を監視し続けることは、精神的なプレッシャーを与えるだけでなく、プライバシーの侵害にもつながります。

 

夫が妻の交友関係に過度に干渉し、自由な人間関係を築くことを妨げる行為も問題となります。

 

  • 友人や同僚との付き合いを禁止する
  • 外出時に「誰とどこに行くのか」を細かく尋ねる
  • 妻のスマートフォンを無断でチェックし、通話履歴やメッセージを確認する

交友関係の制限は、相手の社会的なつながりを断つ行為であり、精神的な束縛につながる危険があります。

 

夫が妻の日常生活に介入し、自由を制限することもストーカー行為になり得ます。

 

  • 妻の服装や髪型を勝手に決めようとする
  • 妻の経済的な自由を奪い、生活費を制限する
  • 「俺の言うことを聞け」と命令口調で接する
  • 離婚や別居を拒否し、無理やり関係を維持しようとする

結婚生活においては、互いの価値観や考えを尊重することが大切です。過度な干渉や支配的な態度は、関係の悪化を招きます。

 

精神的な束縛だけでなく、暴力や脅迫を用いる場合は、さらに深刻な問題となります。

 

  • 妻が別れ話を持ち出すと暴力を振るう
  • 「離れたらどうなるかわかってるのか?」などと脅す
  • 妻の家族や友人に危害を加えるとほのめかす

 

こうした行為は、単なるストーカー行為を超え、犯罪行為として扱われる可能性があります。

 

最初は「心配だから」と思っていた行動でも、次第にエスカレートし、犯罪行為に発展することがあります。

 

  • 最初は電話やメッセージだけだったのが、直接会いに行くようになる
  • 尾行や監視がエスカレートし、住居侵入や暴力に至る
  • ストーカー行為が周囲の人間にも向けられる

こうしたリスクを理解し、早めに対処することが重要です。

もし夫の行動がストーカー行為に当たる場合、どのように対処すればよいのでしょうか?

 

ストーカー行為が続いている場合、証拠をしっかりと記録しておくことが大切です。

 

  • 受信したメッセージや通話履歴を保存する
  • 監視や尾行の証拠を写真や動画で記録する
  • 日時と行動をメモに残す

 

これらの証拠は、警察や弁護士に相談する際に役立ちます。

 

ストーカー行為が続く場合は、早めに警察や専門機関に相談しましょう。

 

  • 110番通報をする
  • ストーカー規制法に基づく警告を求める
  • 配偶者暴力相談支援センターに相談する

 

警察に相談することで、必要に応じて接近禁止命令などの対応が取られることもあります。

 

危険を感じた場合は、できる限り物理的な距離を取ることが重要です。

 

  • 別居を決断し、安全な場所に身を置く
  • 自宅の防犯対策を強化する(鍵の交換、防犯カメラの設置)
  • 住所変更を検討する

自身の安全を最優先に考え、適切な対応を取りましょう。

夫婦間であっても、過度な執着や監視、制限行為はストーカー行為に該当する可能性があります。

相手の自由を奪う行動が続くと、関係の修復が困難になり、法的措置が必要になるケースも少なくありません。

もしストーカー行為に悩んでいる場合は、早めに周囲に相談し、適切な対処を行いましょう。