SNSやメールも証拠に。不倫・浮気の裁判はどう変わってきたのか
浮気や不倫による離婚調停や慰謝料請求は、以前よりも裁判所での判断が複雑になっています。
一度の判決が、その後の裁判の基準となるため、最新の動向を知っておくことはとても重要です。
今回は、日本裁判官ネットワーク著『裁判官だから書けるイマドキの裁判』を参考に、不倫・浮気をめぐる最近の裁判事情をご紹介します。
探偵だけじゃない! SNS投稿・スマホの写真も不貞行為の証拠に
これまでは浮気の証拠といえば、探偵が撮影したラブホテルの出入り写真など、明確な現場証拠が主流でした。
しかし最近は、不倫相手とのLINEやSNSの投稿、スマホに保存されたツーショット写真も証拠として認められるようになっています。
つまり、パートナーのスマホをこっそり確認し、画面をスクリーンショットするだけでも、不貞の証拠になる場合があるのです。
もちろん、相手が警戒していない場合に限ります。スマホにロックをかけていたり、トーク履歴をすぐに削除するような慎重な人も多いため、簡単にはいかないケースもあるでしょう。
不倫するのは男性だけじゃない。女性側が加害者になるケースも増加
慰謝料請求の割合は、依然として妻が夫に請求するケース(約7割)が多いですが、最近では夫が妻に請求するケース(約3割)も確実に増えてきました。
背景には、以下のような社会の変化があります:
- 女性の社会進出により出会いの場が増えた
- 女性の経済力が上がり、慰謝料を請求しても十分に回収できるようになった
- 「妻に浮気されたことを恥」とする価値観が薄れ、夫側も堂々と請求するようになった
かつては夫が「寝取られた」ことを隠す傾向が強かったものの、最近では男女問わず「裏切られたら法的に対処する」という考えが広がっています。
同性との関係でも慰謝料請求できる時代へ
民法で不貞行為が規定されたのは1947年。当時は「異性との性交渉」が前提とされ、同性との関係は対象外でした。
しかし、2020年の判例では同性との性交渉も不貞行為と認定され、慰謝料請求が可能となっています。
さらに、同性カップルで法律婚していなくても、長年の同居や生活実態から「婚姻に準ずる関係」と認められ、浮気による慰謝料請求が認められるケースも出てきました。
裁判も時代とともに進化する
浮気や不倫に関する裁判は、時代の変化を反映しながら柔軟に判断されています。
SNSやスマホといった新しいツールが証拠となり、同性カップルも保護される時代になりました。
これからも社会の変化とともに、裁判の考え方や基準も進化していくでしょう。
もし浮気・不倫で悩んだら、最新の裁判事情を知り、適切に対処することが大切で