インターネットで「弁護士なら2~5万円で携帯番号から住所を照会できる」といった情報を目にされた方も多いのではないでしょうか。
実際に、弊社へ浮気調査をご相談いただくお客様の中にも、「夫の不貞相手の携帯番号は分かっているので、弁護士に頼めばすぐに住所が分かるのではないか」と仰る方が少なくありません。

しかし、これは大きな誤解です。今回は、弁護士が本当に携帯番号から住所を照会できるのか、そして浮気調査において不貞相手の住所を特定する現実的な方法について、探偵事務所の立場から詳しく解説いたします。

 

弁護士は携帯番号から住所を照会できるのか?浮気調査の実務から解説

 

弁護士ができることとできないこと

 

まず前提として、弁護士が携帯電話会社に依頼して住所を直接開示させることはできません。
通信事業者は、契約者の個人情報(氏名・住所など)を厳格に保護しており、これを第三者に開示できるのは警察の捜査や裁判所の令状がある場合に限られます。

弁護士には「弁護士会照会(弁護士法23条の2)」という制度があり、裁判や交渉のために関係機関へ照会をかけることが可能です。しかし、通信事業者はこの照会に応じる義務がなく、実際に開示することはほぼありません。

したがって、携帯番号を弁護士に渡したからといって、そこから住所を割り出せるわけではないのです。

 

ネットに出ている「2~5万円」の正体

 

ではなぜ「弁護士なら2~5万円で住所を照会できる」という情報が出回っているのでしょうか。
これは多くの場合、住民票照会など裁判を前提とした手続きにかかる費用を指しています。

例えば、相手の氏名が分かっている場合に、裁判所を通じて住民票を取得し、現住所を確認する手続きがあります。これに弁護士費用を加えると、数万円程度になることがあります。

しかしこれは「氏名が判明していること」が前提であり、単に携帯番号だけしか分からない状態では利用できません。

 

浮気調査における住所特定の現実

 

浮気・不倫問題で慰謝料請求を行うには、相手方の氏名と住所が必須です。
ところが、依頼者が把握しているのは「携帯番号」だけというケースも多いのが実情です。

この場合、弁護士ができることには限界があり、調査会社(探偵)による住所特定調査が現実的な手段となります。
行動調査を通じて対象者が帰宅する先を確認すれば、確実に居住先を把握できます。その上で、不貞の証拠を揃えれば、弁護士が慰謝料請求や裁判をスムーズに進めることが可能になります。

 

不貞の証拠がなければ弁護士も動けない

 

もう一点重要なのは、現時点で不貞の証拠がなければ、弁護士も動きにくいという点です。
慰謝料請求や裁判を行うには、相手が不倫関係にあったことを示す明確な証拠(宿泊・肉体関係を推認できる証拠など)が必要です。

番号だけではもちろん証拠にはならず、住所を特定しても「ただの知人」と言い逃れされる可能性があります。
したがって、まずは探偵による調査で 「誰と・どこで・どのように会っていたのか」 を明らかにすることが不可欠です。

トラスト探偵事務所