「暴力をふるわれているけれど、相手にも良いところがある」
「私が悪かったのかもしれない」
このように、自分がDV(ドメスティックバイオレンス)を受けていることに気づかない、あるいは認められない方は少なくありません。

夫婦や恋人の間では、暴力をふるう側も、受けている側も「DVをしている」「されている」と思っていないことが多いのです。
しかし、どんな理由があっても暴力は正当化されません。
ここでは、DVが起こる背景と、なぜ抜け出せなくなるのか、そして子どもへの影響について詳しく解説します。

 

夫婦間のDVから抜け出せない理由と、被害を繰り返さないためにできること

 

 

当事者が「DVだ」と気づけない理由

 

 

DVの被害を受けている人の多くは、最初から暴力があったわけではありません。
はじめは優しかった相手が、少しずつ言葉で支配するようになり、やがて暴力へとエスカレートしていきます。
その過程で被害者は、「私が悪いから怒らせてしまった」「あの人も本当は優しい」と自分を責めてしまうのです。

暴力の後に優しさを見せる「アメとムチ」のような行動パターンは、被害者を強く依存させます。
暴力を受けた直後は恐怖や苦しみでいっぱいでも、その後に涙を見せたり、優しく抱きしめられたりすると、「やっぱりこの人は根は優しい」と錯覚してしまうのです。
この“緩急”がDVの典型的な構図であり、被害者が抜け出せない最大の要因です。

 

 

「私がいないとダメ」と思い込んでしまう心理

 

 

長期間DVを受けていると、「この人は私がいないと立ち直れない」「私が支えてあげなければ」といった錯覚を抱くようになります。
しかし、これは加害者が無意識のうちに植え付ける“支配構造”です。
相手を支配することで自分の存在を保ち、相手に罪悪感や責任感を抱かせることで関係を維持する
これは心理的なコントロールの一種であり、暴力がエスカレートしても関係が断ち切れない原因になります。

 

 

DVは「治る」ことがほとんどない

 

 

「もう二度としない」「これが最後だ」と加害者が誓っても、DVが根本的に改善することはほとんどありません。
暴力は一度“許されてしまう”と、繰り返される傾向があります。
暴力の原因は怒りや感情ではなく、「相手を支配したい」という心理からくるものであり、本人の努力だけで治すことは難しいのです。

また、DV加害者は外では良い人間関係を築けていることも多く、人前では笑顔を見せたり、優しい父親や夫を演じたりします。
そのため、周囲からは「まさかあの人が」と思われ、被害を訴えても理解されないケースも少なくありません。

 

 

子どもへの深刻な影響

 

 

DVが家庭内で続くと、最も大きな被害を受けるのは子どもです。
暴力を直接受けていなくても、暴力が行われている現場を見たり、怒鳴り声を聞くだけで心に深い傷を残します。
暴力が「当たり前」と感じるようになると、将来的に同じような関係性を築いてしまう危険もあります。

特に、「母親が殴られても許している」「怒られても黙っている」という姿を見て育つと、暴力や支配を“家庭の普通”として学習してしまいます。
つまり、DVを放置することは、次の世代にも悪循環を引き継ぐことになるのです。

 

 

DVから抜け出すための第一歩

 

 

DVの被害に気づいたときに最も大切なのは、「一人で抱え込まないこと」です。
警察や行政の相談窓口、そして探偵などの専門機関に早めに相談することで、安全な環境を確保することができます。

探偵事務所では、DVの証拠を記録・保存するサポートも行っています。
暴言や暴力の現場を客観的に証拠化することで、離婚や保護命令の申立てに活用できるケースもあります。
証拠を残すことは、「もう戻らない」と決意したあなた自身を守るための手段でもあるのです。

 

 

まとめ

  • DVの多くは「している」「されている」と気づかないまま続く
  • 暴力の後の優しさが依存を生み、抜け出しにくくなる
  • 「私がいないとダメ」と思うのは支配の構造による錯覚
  • 子どもへの心理的影響は深刻で、将来にまで残る
  • DV加害者が自力で変わることはほとんどない
  • 早期に専門家へ相談し、証拠を確保することが重要

DVは「愛情」ではありません。どんな理由があっても、暴力は正当化されません。
もし、今あなたが苦しい関係の中で迷っているなら、まずは誰かに相談してください。
トラスト探偵事務所では、秘密厳守でご相談をお受けし、安全な生活を取り戻すためのサポートを行っています。

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