無職・シングル・生活苦。
それでも、不倫相手が「慰謝料を払え」と主張してくるケースは、確かに存在します。
ここで勘違いしやすいのが、
「生活が苦しい人ほど、法的に有利で、慰謝料も取りやすいのでは?」
というイメージです。
実際には、そんな単純な話ではありません。

慰謝料を「取れるかどうか」のポイントは、生活苦ではなく“行為の中身”
裁判所が見るのは、基本的につぎの部分です。
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既婚者が、どんな嘘や約束をしていたか
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不倫相手がどこまで既婚であることを知らなかったか
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妊娠・中絶・退職など、どれだけ人生に影響を与えたか
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暴言・暴力・モラハラ的な言動があったか
無職かどうか、シングルかどうか、生活が苦しいかどうかは「事情」として考慮されますが、
それだけで慰謝料が決まるわけではありません。
つまり、
「お金がなくて可哀想だから慰謝料が増える」
というよりも、
「どれだけひどいことをされたか」で決まる
と考えたほうが現実に近いです。
それでも「請求してくる人」が一定数いる理由
それでも、無職・シングル・生活苦の不倫相手から
「こっちだって被害者。お金を払ってもらう」
「こっちは人生めちゃくちゃにされた」
と主張されるケースがあるのは事実です。
理由はシンプルで、
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感情的に許せない
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生活が苦しく、少しでもお金が欲しい
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どちらが“加害者”なのか、本人たちもよく整理できていない
からです。
ここで注意したいのは、
「請求してくる人が多い=現実に取れている人も多い」
とは限らないという点です。
実際には、弁護士に相談しても
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法的には厳しい
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裁判になっても採算が合わない
と判断され、途中で立ち消えになるケースも少なくありません。
配偶者側がやってしまいがちな“悪手”
浮気された配偶者側が、やってしまいがちなパターンがあります。
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不倫相手からの慰謝料請求を聞いてパニックになる
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配偶者と不倫相手、両方に対して感情的に怒鳴る
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ラインや通話でのやり取りがヒートアップ
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そのやり取り自体が、逆に「脅し」「名誉毀損」「ハラスメント」として利用されかねない
相手が生活苦であればあるほど、「このやり取りでさらにお金を引き出せないか」を考える人もいます。
感情的に「ふざけるな」と言いたくなるのは当然ですが、
ここでの暴走は、こちらにとってマイナスにしかなりません。
まずやるべきは「線引き」と「役割分担」
無職・シングル・生活苦の不倫相手から慰謝料を言い出された場合、
配偶者側がまずやるべきことは、次の二つです。
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自分の感情と、現実に取りうる選択肢を分けて考える
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法律の話は専門家に任せる前提で、証拠を整理しておく
具体的には、
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浮気の事実を示す証拠(宿泊・肉体関係がわかるもの)
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いつから関係が始まっているか
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不倫相手が「既婚であることを知っていたのか、知らなかったのか」が分かるやり取り
こうした材料があるかどうかで、
「誰が誰にどこまで請求できるのか」が変わってきます。
探偵の役割は「言った・言わない」を証拠に変えること
探偵が介入できるのは、まさにこの部分です。
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実際にどの程度の頻度で会っていたのか
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会っていた場所はラブホテルなのか、普通のカフェなのか
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ただの“友達”といえるレベルか、誰が見ても“不倫”と言えるレベルか
調査によって見えてきた事実は、
離婚・慰謝料・示談交渉の場で
「感情論」ではなく「客観的な材料」として扱うことができます。
お金に振り回されないために
無職で生活苦の不倫相手が慰謝料を口にするとき、
そこには必ず「お金の問題」と「感情の問題」がセットになっています。
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生活が苦しい
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騙されたと感じている
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捨てられた怒りがある
一方で、浮気された配偶者側にも
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裏切られた怒り
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家計や子どもの将来への不安
といった感情が渦巻いています。
だからこそ、感情で殴り合うのではなく、
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誰が、どこまで、何に責任を取るのか
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そのために、どんな証拠が必要なのか
を冷静に並べていく作業が必要になります。
その整理をするための「材料集め」として、
探偵の調査は意外と重要な役割を持っています。

