不倫調査の依頼主は不倫サレた方です。
サレた方が一方的にした方を攻めて、離婚したり慰謝料をとる場合は問題ありませんが、一転、不倫を終わらせて、元の夫婦関係に修復した場合は、今度は不倫した配偶者が訴えられる場合があります。
テレビタレントやスポーツ選手が不倫が発覚して、離婚すればいいのですが、結婚したままだと、自粛期間中は無収入になり、賠償金を払わないといけなくなるのと同じですね。
被害者だったはずなのに、いつの間にか加害者側にまわっていて、配偶者と共に罪を償う立場になっているのです。
まさに踏んだり蹴ったりですが、家庭生活を維持するためには仕方ないことかも知れません。
日野いつみ著「不倫のリーガル・レッスン」から、今度は配偶者の不倫相手がどんな法的処置をとってくるかを見てみます。
不倫相手から慰謝料が請求される
不倫関係にあった当事者間で慰謝料が請求されるケースは2つあります。
・「妻と別れ君と結婚する」と約束しながら、いつまでも離婚せずに、年数だけたって、ある日突然別れを切り出された。婚期も逃して、中絶までしたのに許せないと言うケース。
・2つ目は逆に男性の方が、妻子を捨て離婚が成立したのに、いざとなったら相手の女性が覚めてしまったというケースです。
2つともよくドラマに出てきそうなシチュエーションですね。
いずれにせよ、気の毒と言えば気の毒ですが、もともと不貞をして、誰かを傷つけているのだから、慰謝料が成立するような虫のいい話があるんでしょうか?
結論から言うとどちらの場合もケース・バイ・ケースで事情によってかわります。
前者の女性からの訴えの場合は、不倫関係のはじまった経緯、ものごとのありさま状態、年齢差など、その他一切の事情を考慮して、男性が女性の判断を誤らせるような積極的な言動をとったと認められた場合に、その言動によって女性が自己の貞操についての判断の錯誤に陥り、性的自由を奪われたと評価されて、損害賠償要求は認められます。
難しい表現ですが、つまり男性にいいように騙されて、言いくるめられてセックスに応じていた場合には慰謝料が請求できると言うことですね。
しかしながら、いくら「妻と離婚して君と再婚したい」と言われたとしても、話半分にしか聞こえないのが、大人なら分かりそうなものです。
約束をしたからと言って、そんなに慰謝料はとれないのが実情です。
重婚的内縁関係の破棄
不倫関係が長く続き、重婚的内縁関係=つまり、婚姻はしていないけど、実質的には夫婦同然の関係になっていた場合、正当な理由がなくて別れる場合は、不当破棄として、慰謝料や財産分与が必要になります。
不当破棄の理由は婚姻している夫婦同様に、浮気、異常性格など、法定離婚原因が適応されます。
つまり、不倫サレている側としては、長年配偶者が内縁関係の不倫相手と交際していて別れさせたとしても、結婚していたのと同じように財産分与や慰謝料を払わないといけないことになります。
また、内縁関係の解消を迫った人たちが、姑や親戚など第3者だった場合も慰謝料が請求できます。
内縁関係でも長年連れ添った場合は夫婦同然にその権利が要求できます。
まるで家賃を払わないのに、長年そこに住んでいたから、居住権を主張するような理屈です。
離婚するにせよ、関係を修復するにせよ、不倫相手との関係は一刻も早く清算させておかないと、のちのちはサレた方が損をすることになるようです。
独身だと騙された。中絶させられた
もし、女性の方が男性に騙されていた場合は、事情によって慰謝料が請求できます。
そんなケースでも昔は泣き寝入りが多かったものです。
というのも、独身女性が不倫交際をしていた事実が知られたら、結婚できなかったケースが多かったからです。
中絶している事実も他人は知られたくないものです。
不倫相手だと、日陰者と言われて現実でも、法の上でも軽く扱われていましたが、権利意識が高まっているようです。
男性も不倫相手に慰謝料が請求できるのか?
男性でも、事情によっては女性に完全に騙された場合、慰謝料を請求できケースがあるようです。
しかしながら、どんな事情があるにせよ不倫は不倫であるし、男性だと妊娠中絶の痛みもないので、多額の慰謝料を期待しない方がいいでしょう。
また、男性が独身で既婚女性に独身と偽られていて交際して慰謝料を請求したケースはあまり聞きません。
こういう場合は美人局や結婚詐欺など、違う犯罪行為に発展しそうです。
大きな金額を騙しとられたでけなら、深入りしない方が無難でしょう。
まとめ
配偶者が不倫した場合、離婚するより修復する方が人間関係的にも、法律的なリスク的にも高いですね。
離婚する方が自然で無理がないと言えます。
配偶者の不倫が発覚しても耐える妻もいますが、他人には言えない苦労を味わっているでしょう。