最近の話題から、日常にあるバイアス=思い違い考察いたします。
自分だけは大丈夫という間違った自信を生む生存者バイアス
2021年春。
コロナ変異株がさらに蔓延して、ますます感染者が増える中、昨年とは比べものにならない規模の感染者が増加しているにもかかわらず、外に出歩く人は増加の一途をたどっています。
自粛疲れもあるでしょう。
緊急事態宣言が昨年の1回目に発令されたものとは比べものにならないほど、ゆるいもので、しかもその補償もままならない事情もあるでしょう。
コロナ騒ぎが長引けば長引くほど当然、感染者数も増えますが、その間全くコロナに感染しない人もそれ以上に数多くいるのです。
時間が経てば経つほど、「自分だけは感染しない」という根拠のない確信が生まれてくるのです。
それが「生存者バイアス」です。
コロナ禍でもっとも感染している年代は20代、30代ですが、その後40代から60代を飛び越えて、なぜか70代の感染者数が多いとデータが出ています。
移動できるのが困難になった、80代以降の人と比べ、現代の70代はまだ元気で活動できます。
その中で生き抜いてきた人は、元気で大きな病気や怪我にも合わなかったはずです。
ということで「今まで一度も大きな怪我や病気がなかった」と自信を持っており、用心しないで動いてしまうケースが多いようです。
これは「特殊詐欺」に騙される人の心理と全く同じです。
「今まで一度も騙されたことがない」自信が逆に、騙されやすさを助長しているのです。
同じ不倫なのになぜ許されない人と許される人がいるのか?
福原愛さんが台湾から日本に帰ってきて活動するために事務所を設立したものの、不倫が発覚して、活動も頓挫、離婚が成立しても親権は夫の方に渡るようです。
福原は日本に活動基盤を作った後、台湾の子供を引き取ろうとしていたようです。しかし不倫が事実なら、日本での活動も厳しいようです。
福原さんは「卓球少女」として子供の頃からテレビで練習する様子が放送されていました。
泣きながら練習する姿を見て、応援するファンも多かったでしょう。
その人が子供を残して、国境をまたいで不倫しては、裏切られた気持ちになるのも無理はありません。
このように、渡部建さんにせよ、ベッキーさんにせよ、清潔感があって好感度がある人が不倫している場合、世間が過度にバッシングするのは世の常です。
これは「権威バイアス」「ステレオタイプ」バイアス働いているからです。
「こういうポジションの人はきっと、清廉潔白であるに違いない」
と視聴者側が勝手にいいイメージをこしらえていて、それが裏切られるから余計に腹が立つのです。
一方、不倫が発覚しても落語家や俳優など、清潔感、好感度が求められる仕事ではない場合はそこまでバッシングされずに、自粛することもなく仕事しているケースがあります。
対象に対して過度に期待していないので、別に裏切られることもないようです。
往年の人気グループ「SPEED」でも上原多香子さんと今井絵理子さんの不倫が報じられました。
政治家となった今井絵理子さんの不倫の方のバッシングは大人しめに沈静化したのに対し、上原多香子さんの場合は再婚し子供にも恵まれたのに、いまだに芸能活動ができていないようです。
上原さんの場合、元夫が上原さんの不倫を苦に自殺していたこともありますが、今井さんは政治家という芸能界とは無関係の活動なのでからまだ良かったのかもしれません。
「政治家こそ国民の声が大事では?」と思ってしまいますが……
コロナはなぜ無策のまま放置されたのか?
菅政権になってから2021年になって、コロナ対策がこれといって為されないまま放置されていたとしか見えません。
安倍政権時代にはいち早く、学校の休校、マスクの配布、全面的な緊急事態宣言など次々と対策を打ち出しました。
しかし、このどれも裏目に出て批難されました。
菅政権になっても Go Toキャンペーンが裏目になって、結果的に感染が膨大する原因になりました。
それに懲りたのか、それからは何も自粛を呼びかけるだけで、なにもしていない気が……
「現状維持バイアス」「不作為バイアス」が働いたのかもしれません。
何かやって批判されるより、何もしないほうがいい。
何かをやって現状が壊れてしまうより、何もしないで安全な方がいい。
そう思い込んでしまうバイアスです。
人間はおおむね安全な場所で、いつも通りのことをして暮らしたい性質を持っています。
でも、これだと問題を解決できませんね。
たしかに明らかに失策もありましたが、それでもそれなりの対策を打っているうちは、少なからず効果がありました。
今はあきらかに無策になって、さらに状況は悪化しているようです。
台湾のように失敗をしながらも、試行錯誤して対策を打ち出してもらいたいものです。