『犯罪は「この場所」で起こる』などの著作で知られる小宮信夫氏が提唱しているのが犯罪機会論。
既存の犯罪学は「なぜ罪を犯すに至ったか」という原因を犯人側に求める犯罪原因論から立脚しています。残念ながら原因論では犯罪を防止する力は弱いようです。そこで、考えだされたのが犯罪機会論です。
たとえ犯罪が起こりやすい場所であっても、犯人が犯罪を引き起こすチャンスを潰すことで、犯罪を未然に防げるというのです。
安倍元首相を銃撃した山上容疑者は、犯行前、岡山の街頭演説にも立ち寄っていました。しかし、岡山では警備が万全だったため犯行を断念したようです。犯行の意思があっても機会さえ潰せば、犯行は防ぐことができるのです。
これを不倫にも応用すれば、たとえ浮気者のパートナーでも、不倫のチャンスを潰すことで浮気防止ができる!……はずです。
出会いのチャンス・親しくなるチャンスを潰す
不倫が生まれる可能性が高いのは大きく次の3つです。
・恋愛対象と出会う機会が多い
・恋愛対象と親しくなる機会が多い
・パートナーと離れ離れになる状況が多い
多くの人と出会う可能性が高ければ、それだけ恋愛対象と出会う確率も上がっていきます。
やはり、人と多く接触する環境にいる人は不倫になる可能性も高くなります。また最近ではマッチングアプリやSNSなどで、見ず知らずで遠方の人とも親しくなる機会が増えました。
しかし、多くの人と接触したとしても、親しくなる機会がない限り、不倫には発展しません。夜勤や休日出勤などで、通常の人と時間がズレて生活している人も親しくなる可能性が上がります。
そして、パートナー同士がすれ違いで、一緒にいる時間が少ないと、それだけ不倫するチャンスも広がっていきます。単身赴任や長期出張だと、遠方で相手がどうしてるかも掴めなくなります。
結局は、パートナーと同じ仕事をして常に四六時中一緒にいれば、完全に不倫・浮気の芽を潰すことができるでしょう。昭和以前の夫婦は、二人三脚で同じ仕事をして、常に一緒にいる人も多かったようです。そんな生活スタイルだと、浮気する余地はありませんね。
しかし、現在ではそんなスタイルは難しいでしょうし、それができたら最初から裏切られる苦労はありません。もし完全に行動を監視されたら、今度は監視される側が息苦しくて、疲弊しそうです。
浮気される側はできる範囲で、相手を監視して防止する以外にはなさそうです。