フキハラとは耳慣れない言葉ですが、不機嫌ハラスメントの略です。
慶応大学理工学部教授が開発した「感性アナライザ」は感情をリアルタイムで読み取ることができる機械です。
ドラえもんに登場した「心の声スピーカー」や「正直太郎」という人間の心を読み取れる夢の道具を具現化したものです。
感性アナライザで人間の感情を読み取った結果、人間の感情の揺れ動く仕組みが明らかになりました。
楽しいことは一瞬、しかしストレスはずっとひきずる
感性アナライザは脳波で人間の感情を察知します。統計の結果、人間の脳はうれしいことがあったとしても、脳波が動くのはほんの一瞬。すぐに元通りになります。しかし、嫌な出来事があると波形は大きくなり、しかもストレスの元が消えた後でもいつまでも引きずります。
この結果から幸せになるには、うれしい楽しいことを増やすよりも、まずストレスを減らす方がいいことが分かります。たとえ、うれしいことがあっても、それ以上にストレスがあれば、人は幸せだとは認識できないようです。
ちやほやされているタレントが芸能界に嫌気がさしてあっさり引退してしまうのは、いいこと以上にストレスが多い仕事だからかもしれませんね。
嫌な気分は伝染する
ストレスの力は強力で長時間に渡って引きずるだけではありません。他人に対してハラスメント的な言動を一切しなくても不機嫌は近くにいる人に伝わります。
全く見ず知らずの人でも、近くにいるだけで他人の不機嫌を脳波は読み取るのです。しかも、それはウィルスのように接触する必要もありません。側にいるだけで、その人は意識してなくても、脳だけは人の不機嫌を感じ取ります。人間の脳は思った以上にネガティブなものに繊細に反応するようです。
意外! 恋愛は一緒にいない時の方が楽しい?
さらに恋愛中の男女の脳波を調べると衝撃の事実が……大好きなあの人と一緒にいるときはストレスの波形の方が大きく動いていました。
好きな人と近くにいるというドキドキからでしょうか? 気分が高揚してストレスフリーになるのは、むしろ別れた後。別れた後の時間の方が精神的にリラックスして最高潮になります。「会えない時間が愛育てるのさ」という古い歌謡曲の歌詞の通りの現象が起きるようです。
このデータは結婚や同棲が長いカップルが相手への思いが冷めてしまう理由を教えてくれます。
長い時間一緒にいるとストレスだらけになるんですね。むしろ離れていた方が相手を美化するし、思いも募ります。これは不倫にも言えることでもあります。
少しの時間しか会えないからこそ、不倫は盛り上がるのかもしれません。