スマホ決済、QRコード決済、ネット副業など、新しいサービスが次々と登場する中で、詐欺師たちも巧妙な手口を編み出し、私たちの財産を狙っています。
探偵業界でも、これらの詐欺に関する相談が増えており、詐欺の被害者から「騙された相手を特定したい」「お金を取り戻したい」といった依頼が寄せられています。
ここでは、梅本幸行・桜井礼子著『知らないと騙される!詐欺の最新手口』をもとに、急増中の詐欺を探偵業と関連づけながら紹介します。
インターネットでの買い物が一般的になった現在、ネット通販を悪用した「返金詐欺」が急増しています。
この手口では、偽の通販サイトで定価よりも大幅に安い商品を販売し、購入者を誘導します。購入後、詐欺師は「商品が欠品した」とメールを送り、返金手続きを行うよう指示します。しかし、返金方法が電子マネーによるQRコード決済に限定されているのが特徴です。
被害者が指示通りにQRコードをスキャンし、「支払い」ボタンを押すと、実際には詐欺師に送金してしまう仕組みになっています。
探偵業界では、こうした詐欺の被害者から「詐欺サイトの運営者を特定したい」「振込先の口座を調査してほしい」といった依頼が寄せられることが多くなっています。詐欺サイトは短期間で消えることが多いため、早急な対応が必要です。
このような被害を防ぐためには、
- 大手の信頼できる通販サイトを利用する
- 返金方法がQRコード決済のみのサイトは警戒する
- 返金処理を行う際に、決済画面の文言をしっかり確認する
といった対策が必要です。
本業の収入を補うために副業を探す人が増える中、「簡単に稼げる」とうたう詐欺が横行しています。
副業詐欺の典型的な手口には、以下のようなものがあります。
- 副業サイトに登録すると、「入会金」「保証金」の支払いを求められる
- 仕事を始めるために「教材の購入」や「講座受講」を勧められる
- 初回の報酬を受け取らせ、信頼させた後に「仮想通貨取引」や「高額投資案件」へ誘導する
- 取引が成功しているように見せかけ、次第に大金を投入させた後、虚偽の損失を理由にさらに金銭を要求する
探偵事務所には、「副業を紹介してくれた相手が急に連絡を絶った」「詐欺グループの所在地を調べてほしい」といった依頼が寄せられています。
仕事をするためにお金を支払わせる副業は詐欺の可能性が高いため、
- 「簡単に稼げる」という言葉には警戒する
- 初期費用を要求する副業には応募しない
- 事前に副業の運営会社の実態を調査する
といった慎重な対応が求められます。
「あなたの名前が犯罪に使われている」という脅し文句で資産情報を引き出す「犯罪でっちあげ詐欺」も増加しています。
例えば、愛知県在住のAさんは、総務省の職員を名乗る男から「あなたの名義で契約された携帯が札幌で投資詐欺に使われている」と告げられました。その後、豊平警察署の刑事を名乗る人物に転送され、「特殊詐欺の重要参考人になっている」と脅されます。
刑事を名乗る人物は「捜査の秘密を守るため」として守秘義務契約書を送付し、誰にも口外しないよう強調。その上で、「犯罪グループからの送金の有無を確認するため」として、銀行口座や株式、不動産の情報を送るよう要求しました。
Aさんは脅されるままに資産情報を提供してしまいましたが、暗証番号までは教えていなかったため、最終的には被害を免れました。彼の異変に気づいた上司が弁護士に相談したことで、詐欺であることが発覚したのです。
探偵業界では、
- 「本当に警察官なのか?」の確認を求める調査
- 詐欺グループの所在地や関係者の特定
- 盗まれた個人情報の悪用リスク調査
といった依頼が増加しています。
この手の詐欺を防ぐためには、
- 突然の「あなたは犯罪に関与している」という連絡は疑う
- 相手の身分証を確認し、警察署や官公庁に直接問い合わせる
- 銀行口座や資産情報は簡単に提供しない
といった基本的な対策が必要です。
詐欺師たちは日々新しい手口を考え出し、私たちを騙そうとしています。しかし、正しい知識を持ち、事前に調査を行うことで、多くの被害を未然に防ぐことができます。
探偵事務所では、
- 詐欺グループの所在地や関係者の特定調査
- 投資案件や副業案件の実態調査
- 被害者が送金した口座の追跡調査
などのサポートを行っています。
「もしかして詐欺かも?」と思ったら、早めに専門家に相談し、冷静な判断をすることが大切です。詐欺に巻き込まれないためにも、探偵の調査を活用して、確実な情報を手に入れましょう。