離婚や死別、子どもとの疎遠――。年齢を重ねるにつれ、「老後はひとりぼっちになるかもしれない」という不安を抱く人が増えています。特にパートナーの不倫などで離婚に至った場合、「このままずっと1人かもしれない」と将来を悲観してしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は老後の孤独は誰にでも起こり得る問題。結婚していても、子どもがいても、老後に1人で暮らすリスクはゼロではありません。
老後ひとりぼっちは他人事ではない現実
統計によれば、2035年には日本人の3人に1人が65歳以上になり、都市部(東京・大阪)では4割以上が一人暮らしになると予測されています。つまり、誰しもが「老後ひとりぼっち」になる可能性があるのです。
そんな現代の老後のあり方についてヒントをくれるのが、松原惇子氏の著書『老後ひとりぼっち』。本書には「悲惨な老後にならないために今から押さえておくべき20のこと」が紹介されています。
ここではその中から特に重要な3つのポイントを紹介します。
1. 趣味以外の友達を作る(ただし例外もあり)
【キーワード:老後 友達づくり、老後 孤独 回避】
定年後に孤独を感じやすくなるのは、仕事一筋で生きてきた人です。職場を離れたとたん、交流の場がゼロになってしまうことも少なくありません。
そのため、会社以外のコミュニティに早くから参加することが重要です。趣味のサークル、地域のボランティア、町内会など、どんな形でもよいので、複数の人間関係の「居場所」を持っておくことが将来の安心に繋がります。
とくに男性には「おばさんと仲良くなる」ことが勧められています。お節介で親切な“地域のオバチャン”は、生活の質を一気に高めてくれる存在です。
ただし、注意点もあります。
シングル女性が地域コミュニティに溶け込むのは難しいことがあります。とくに地域に根付いた専業主婦のネットワークに、外部から入るのは軋轢を生みやすいのです。
その場合は、「近所」ではなく「心の地域」、つまり自分と価値観の近いシングル女性の仲間を探すことが有効です。
また、「女性がいないと生きられない男性」は、老後に孤独になりがち。60歳を過ぎたら恋愛相手ではなく、同志となれる存在を探すことが大切だと著者は述べています。
2. 炊事・洗濯・掃除を日常にする
【キーワード:老後 自立生活、シニア家事スキル】
1人暮らしで最も現実的な問題は、「生活力」の不足です。
料理をしない、掃除をしない、洗濯をしない――そんな日常が積み重なれば、ゴミ屋敷や不衛生な生活環境を生む原因になります。
特にこれまで家事を家族に任せきりだった人は要注意。
老後に一人になってから家事を覚えるのは遅すぎるのです。
今のうちから自炊をし、洗濯や掃除を習慣にしておくことで、老後の生活の質は格段に上がります。「ひとりぼっちでも快適に暮らせる力」を身につけましょう。
3. 年金に頼らず、少しでも収入を得られる工夫を
【キーワード:老後 収入、副業 シニア、年金 だけじゃ足りない】
年金だけで生活するのは、今後ますます厳しくなります。
老後破産を防ぐには、定年後でも収入を得る手段を確保しておくことがカギです。
たとえば:
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ネットを活用してブログ収益やネット販売
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特技を活かして「教える」ことで報酬を得る(ピアノ、英語、書道など)
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DIYが得意なら「便利屋」や「修理屋」として地域密着で仕事をする
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地域で仲間を募って小さなビジネスを立ち上げる
高齢者の中には、年金に頼らず月に数万円〜十数万円の副収入を得て、経済的にも精神的にも自立した生活を送っている人がたくさんいます。
「楽しいひとりぼっち」になるために今できることを
本書の最後では、「見た目を明るくすること」の重要性も語られています。
身だしなみを整え、外に出て人と会い、社会と関わることで、ひとりでも寂しくない、充実した老後を実現できます。
まとめ:老後ひとりぼっちにならないための3つの秘訣
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趣味以外の人間関係を持つ(地域 or 心の地域)
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生活スキルを早めに身につけておく
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収入源を確保し、年金に依存しない暮らしを目指す
「老後は誰でも1人になりうる時代」。
だからこそ、今から備えておくことが大切です。
孤独を恐れるのではなく、“楽しいひとりぼっち”を選べるような準備を、今日から始めてみませんか?