探偵の現場では、浮気の証拠を押さえるために様々な場面を目にします。
その中で意外と多いのが、「浮気相手の子どもと仲良くしている男性」の姿です。
本来、彼には妻子がいる身。それでも浮気相手の子どもとまるで“本当の家族”のように過ごしている光景は、なんとも複雑な気持ちにさせられます。

 

浮気相手の子どもに「パパ」になる男たちの心理

 

週末は“もう一つの家庭”

 

調査をしていると、こんなシーンによく出会います。
週末になると、浮気相手とその子どもたちと一緒に外出し、動物園やショッピングモール、公園でのびのびと過ごす男性。
その姿は、まさに「もうひとつの家庭」を築いているかのようです。

しかも、こうした男性の多くはすでに妻に「離婚したい」と伝えているケースが多く、実質的には家庭を放棄した状態になっています。
浮気相手の家に頻繁に泊まり、子どもたちと一緒に食卓を囲み、寝起きを共にする。
まるで「父親役」を演じているかのように見えるのです。

 

他人の子に愛情を注ぐ理由

 

浮気相手の子どもに愛情を示す男性は、少なくありません。
はじめは「彼女の子どもだから」という気遣いから始まる関係も、次第に本当に可愛く感じるようになっていきます。
一緒に遊び、笑い、時には叱りながら過ごすうちに、まるで“自分の子ども”のように愛着が湧いてくるのでしょう。

しかし、ここで疑問に思うのは「それでも、自分の本当の子どもを捨ててまで…?」という点です。
自分の血のつながった子どもたちを置いて、他人の子どもの“パパ”になる選択をする理由とは、一体何なのでしょうか。

 

男性が家庭を捨てるときの心理

 

このような行動を取る男性には、いくつかの心理的背景があると考えられます。

  1. 新しい家庭で「やり直したい」願望

現在の家庭ではすでに夫婦関係が冷え切っており、子育ても“義務”になっている場合、新しい家庭(=浮気相手の家庭)で「理想の自分」を再現しようとする心理があります。
新しい女性に愛され、子どもたちにも慕われることで、居場所を感じるのです。

  1. 優先順位の逆転

恋愛感情がピークに達しているとき、人は理性より感情を優先しがちです。
「この人と一緒にいたい」「この子たちを幸せにしたい」と思うあまり、実の家族への責任感が薄れていきます。
浮気相手にのめり込みすぎた結果、家庭が“邪魔な存在”にすらなってしまうこともあります。

  1. 自己肯定感の回復

新しい相手に「あなたが必要」「頼りにしてる」と言われることで、自尊心が満たされる男性もいます。
仕事や家庭で満たされない部分を、浮気相手との関係で埋めようとするケースも多いのです。

 

結婚と離婚を繰り返す男性の特徴

 

なかには、何度も結婚と離婚を繰り返す男性も存在します。
共通するのは、女性関係に依存的で、1人の女性と長く安定した関係を築くのが苦手な点です。

最初は「この人こそ運命の相手だ」と思って結婚しても、相手が“母親”になると、また別の女性に目移りしてしまう。
そして新たな恋に夢中になり、今度はまたその相手と再婚する──
この繰り返しです。

こうした男性にとっては、“恋愛”が最優先であり、子どもよりも常に「目の前の女性との関係」が大切なのかもしれません。

 

一方で、母親は子どもを手放さない

 

男性に比べ、女性が子どもを置いて家を出るケースは少ないです。
母親にとって、子どもは人生の軸であり、何よりも優先する対象であることが多いからです。

しかし、ごくまれに、母親が子どもを置いて浮気相手のもとへ走ってしまうケースもあります。
その背景には、以下のような事情が考えられます:

  • DVやモラハラから逃げたかった
  • 精神的に追い詰められていた
  • 自己肯定感の回復を恋愛に求めた

理由はさまざまですが、「母親だから絶対に子どもを捨てない」とは限らない現実も、探偵の現場では存在しています。

 

まとめ|“新しい家族”の裏で失われるもの

 

浮気は、関係する人すべてに影響を及ぼします。
本人同士の問題に見えても、実の子ども、浮気相手の子ども、新たな家庭──そこには多くの感情が絡み合います。

本来、家族は一度築いたら最後まで責任を持つべきもの。
他人の子どもに愛情を注ぐ前に、自分の子どもにできることはなかったのか──
その問いかけを、多くの人に届けたいと思います。

トラスト探偵事務所