不倫の相談を受けていると、ときどきこんなケースがあります。

  • 浮気相手は無職

  • シングルで子どもあり

  • 生活は苦しい

  • それでも「私だって被害者だから」「慰謝料を払ってもらう」と言い出す

一見すると「加害者側」のはずの不倫相手が、気がつけば“被害者ポジション”に立っている。
この逆転現象は、どういうときに起こるのでしょうか。

「無職・シングル・生活苦」なのに慰謝料請求? 浮気相手が“被害者ポジション”を取りに来る構図


既婚者側が「独身だ」と偽っていたケース

まず、法的にも現実的にも一番多いのが、

「既婚であることを隠されて交際していた」

というパターンです。

  • 出会いはマッチングアプリやSNS

  • プロフィールは「独身」「バツイチ」など

  • 実際は普通に結婚していて家庭あり

この場合、不倫相手からすれば

「既婚者と知っていたうえでの不倫」ではなく
「独身だと信じて付き合っていたら、実は既婚だった」

という認識になります。

ここに、妊娠や中絶、仕事を辞めてしまった、実家を出てきてしまった…など、
人生に大きな影響が出ていると、相手は

「騙された」「時間を返してほしい」「慰謝料を払え」

と強く出てくることがあります。


生活が苦しいほど「お金で取り返したい」心理になる

無職・シングル・生活苦の不倫相手が慰謝料を求めてくる背景には、生活事情も絡みます。

  • シングルマザーで毎月ギリギリ

  • パートを辞めてしまった

  • その男性からの援助やデート代に生活が依存していた

こうなると、

「この関係が終わるなら、その分のお金をもらわないと割に合わない」
「騙されていたんだから、せめて慰謝料で穴埋めしたい」

という思考になりやすくなります。

本来、不倫は「既婚者+不倫相手」が一緒に責任を負う行為です。
ただし、既婚であることを隠し続け、「結婚する」「離婚する」と散々約束していた場合、
不倫相手側にも「被害者」としての主張材料が生まれます。


「弱い立場」を盾にしてくるパターンもある

中には、本当に苦しい状況だからこそ、こんな言い方をしてくる人もいます。

  • 「こっちは仕事も辞めてる。どうしてくれるの」

  • 「シングルで子ども抱えているのに、遊びだったの?」

  • 「あなただけ家庭に戻るなんて不公平」

このとき、相手の狙いは単純です。

  • 別れ話を有利に進めたい

  • 少しでもお金を引き出したい

  • 自分の“悪さ”を薄めて、被害者側に立ちたい

もちろん、全部が嘘というわけではなく、
本当に騙されていたケースもあれば、
最初から結婚できるとは思っておらず、
「どうせ別れるなら最後に取れるだけ取っておきたい」という打算も混ざっていることがあります。


配偶者側から見たときの「二重の裏切り」

浮気されている妻(または夫)側からすると、

  • 配偶者に裏切られている

  • そのうえ、不倫相手が「被害者」を名乗って慰謝料を求めてくる

という、二重の裏切り状態になります。

感情的には納得できなくて当然です。
ただ、ここで大事なのは

  • 法的にどこまで通る話なのか

  • 逆にこちらが請求できる慰謝料はいくらぐらいになりそうか

  • どの程度、証拠が揃っているか

といった「冷静な材料整理」です。

感情で話し合いをしてしまうと、
本来払う必要のないお金まで払ってしまったり、
逆にもらえるはずの慰謝料を取り損ねることもあります。


探偵にできるのは「立場をはっきりさせる材料作り」

トラスト探偵事務所のような探偵ができるのは、
どちらが何をしてきたのかを、できるだけ客観的に見える形にしておくことです。

  • その関係がいつから始まっているのか

  • どの程度の頻度で会っているのか

  • 夫(妻)がどんな約束や発言をしていたのか、記録が残っているか

これらは、弁護士に相談するときにも重要な材料になります。

「相手が生活苦だから可哀想」
「うちの夫も悪いし、お金払っておけば静かになるかも」

といった気持ちだけで動いてしまう前に、
一度立ち止まって、自分の立場と選択肢を整理しておくことが大切です。