無職・シングル・生活苦。
それでも、不倫相手が「慰謝料を払え」と主張してくるケースは、確かに存在します。

ここで勘違いしやすいのが、

「生活が苦しい人ほど、法的に有利で、慰謝料も取りやすいのでは?」

というイメージです。
実際には、そんな単純な話ではありません。

生活苦の不倫相手が「慰謝料を取る側」に回るとき 配偶者はどう対応すべきか


慰謝料を「取れるかどうか」のポイントは、生活苦ではなく“行為の中身”

裁判所が見るのは、基本的につぎの部分です。

  • 既婚者が、どんな嘘や約束をしていたか

  • 不倫相手がどこまで既婚であることを知らなかったか

  • 妊娠・中絶・退職など、どれだけ人生に影響を与えたか

  • 暴言・暴力・モラハラ的な言動があったか

無職かどうか、シングルかどうか、生活が苦しいかどうかは「事情」として考慮されますが、
それだけで慰謝料が決まるわけではありません。

つまり、

「お金がなくて可哀想だから慰謝料が増える」
というよりも、

「どれだけひどいことをされたか」で決まる

と考えたほうが現実に近いです。


それでも「請求してくる人」が一定数いる理由

それでも、無職・シングル・生活苦の不倫相手から

「こっちだって被害者。お金を払ってもらう」
「こっちは人生めちゃくちゃにされた」

と主張されるケースがあるのは事実です。

理由はシンプルで、

  • 感情的に許せない

  • 生活が苦しく、少しでもお金が欲しい

  • どちらが“加害者”なのか、本人たちもよく整理できていない

からです。

ここで注意したいのは、

「請求してくる人が多い=現実に取れている人も多い」

とは限らないという点です。
実際には、弁護士に相談しても

  • 法的には厳しい

  • 裁判になっても採算が合わない

と判断され、途中で立ち消えになるケースも少なくありません。


配偶者側がやってしまいがちな“悪手”

浮気された配偶者側が、やってしまいがちなパターンがあります。

  1. 不倫相手からの慰謝料請求を聞いてパニックになる

  2. 配偶者と不倫相手、両方に対して感情的に怒鳴る

  3. ラインや通話でのやり取りがヒートアップ

  4. そのやり取り自体が、逆に「脅し」「名誉毀損」「ハラスメント」として利用されかねない

相手が生活苦であればあるほど、「このやり取りでさらにお金を引き出せないか」を考える人もいます。

感情的に「ふざけるな」と言いたくなるのは当然ですが、
ここでの暴走は、こちらにとってマイナスにしかなりません。


まずやるべきは「線引き」と「役割分担」

無職・シングル・生活苦の不倫相手から慰謝料を言い出された場合、
配偶者側がまずやるべきことは、次の二つです。

  • 自分の感情と、現実に取りうる選択肢を分けて考える

  • 法律の話は専門家に任せる前提で、証拠を整理しておく

具体的には、

  • 浮気の事実を示す証拠(宿泊・肉体関係がわかるもの)

  • いつから関係が始まっているか

  • 不倫相手が「既婚であることを知っていたのか、知らなかったのか」が分かるやり取り

こうした材料があるかどうかで、
「誰が誰にどこまで請求できるのか」が変わってきます。


探偵の役割は「言った・言わない」を証拠に変えること

探偵が介入できるのは、まさにこの部分です。

  • 実際にどの程度の頻度で会っていたのか

  • 会っていた場所はラブホテルなのか、普通のカフェなのか

  • ただの“友達”といえるレベルか、誰が見ても“不倫”と言えるレベルか

調査によって見えてきた事実は、
離婚・慰謝料・示談交渉の場で
「感情論」ではなく「客観的な材料」として扱うことができます。


お金に振り回されないために

無職で生活苦の不倫相手が慰謝料を口にするとき、
そこには必ず「お金の問題」と「感情の問題」がセットになっています。

  • 生活が苦しい

  • 騙されたと感じている

  • 捨てられた怒りがある

一方で、浮気された配偶者側にも

  • 裏切られた怒り

  • 家計や子どもの将来への不安

といった感情が渦巻いています。

だからこそ、感情で殴り合うのではなく、

  • 誰が、どこまで、何に責任を取るのか

  • そのために、どんな証拠が必要なのか

を冷静に並べていく作業が必要になります。

その整理をするための「材料集め」として、
探偵の調査は意外と重要な役割を持っています。

トラスト探偵事務所