探偵に浮気調査を依頼した場合、実際にどんな調査を行っているのか気になったことはありませんか?

 

浮気調査をしたら、誰だって探偵の調査が気になるものです。

そもそも探偵の仕事は誰もが簡単に見ることはできません。具体的な方法についてもさほど明らかにされてもいません。

しかし、依頼費用を支払って調査をしているのか知らなければ費用を払いたくない人もいるでしょう。この記事では、探偵が行っている浮気調査の補法について詳しくご紹介します。

 

■浮気調査のステップは8つに分けられる

 

浮気調査のステップは大きく分けて次の8つとなります。

 

1.事前調査

 

2.調査開始

 

3.対象者の確認(面取り)

 

4.尾行開始

 

5.浮気相手との接触を確認

 

6.不貞行為の確認

 

7.浮気相手の帰宅先を確認

 

8.調査解除

 

これら8つのステップを上から順に行うことで浮気調査が完了します。

もしこれらのステップの1つでも抜けてしまうと、浮気調査は成功しません。

 

■1.事前調査

 

依頼が決定し、調査に関わる情報を依頼者から受け取った時点ですぐに事前調査がはじまります。

 

事前調査とは、本番の調査の成功率を上げるために行うための下調べです。

現場周辺の情報からインターネット調査に至るまで、ありとあらゆる方法で浮気調査をご紹介します。

 

〇出入り口の確認

 

まずは現場周辺に向かって状況を確認します。

例えば、ある一軒家の調査を行う場合には、その家の出入り口を調べます。

一軒家と言えど、その出入り口は一か所とは限りません、正面玄関はあれど、普段は裏口を利用して出入りしている可能性もあるので、必ず出入り口の数をチェックします。後に出入り口の数に合わせて現場に配置する調査員の数を決定することにもなるので、このチェックは真っ先に行います。

 

〇張り込み場所の確認

 

続いて張り込み場所を確認します。

 

張り込み場所はどんな位置でも良いとは限りません。出入り口が見える位置で、なおかつ建物の中からは見えず、出てきたとしても此方を確認しにくい位置が好ましいです。

 

さらに他の要因についてもチェックしなければなりません。

住宅街では他人の家の近くで車を止めていると、それだけで不審者と思われて通報されかねません。

 

また、対象者の自宅や勤務先の窓からは見えない位置や、出入り口が見やすい位置、もしくは対象差の居る部屋の明かりなどが見える場所についても調べなくてはなりません。

 

〇対象者の使用している車を確認

 

対象者が使用している車がどこに、どのようにして駐車されているのかも確認します。

もし対象者が車を使っているとしたら、本人が敷地から出てくる姿は見えず、車しか確認できない場合があります。

 

また、対象者の車種とナンバーも必ずチェックします。

緊急の依頼で車の車種とナンバーが正確にわからないまま依頼されたとしても、現地で探偵が必ず確認しています。情報の行き違いというのは常にあるという前提のもと探偵は下調べを行っています。

 

〇対象者の移動ルートの確認

 

続いて対象者が使う移動ルートを確認します。

対象者があらかじめ移動するルートを知っておけば、余計な尾行をせずとも待ち伏せが可能になります。

 

例えば、対象者が帰宅中、人気のない住宅街を探偵が尾行するというのは殆どありません。あらかじめ下調べをしているので、帰宅ルートに入った時点で尾行を止め、あとは自宅周辺で待機している探偵が帰宅する相手の姿を抑えます。

 

また、対象者の退勤ルートの中に混雑が予想される場所があれば、あらかじめそのルートを通っておき、その位置に近づいた時点で距離を詰めて尾行の失敗を防ぎます。

 

〇対象者の顔写真の撮影

 

依頼者が対象者の顔写真を準備できなかったり、直近の写真が手に入らない場合には、探偵自らが下調べ中に対象者の写真を撮影します。

 

また、大手企業や官公庁に勤める人間を尾行する場合、建物から大量に出てくるスーツ姿の人間の中から確実に対象者を見つけるため、その日の朝に出勤する様子を撮影し、細かい服装の特徴や所持品について確認します。

 

〇インターネット調査

 

意外かもしれませんが、浮気調査を行う前にインターネットで下調べをする探偵が最近は増えてきました。

 

インターネット調査を行うのは、対象者のSNSやブログを調べあげ、そこに浮気相手に関する情報がないかを調べるためです。

 

もしここで浮気相手に関する情報が出てくれば、浮気相手が何者なのか本調査をはじめる前に特定できる可能性があります。

 

また、浮気調査に役立つ様々な情報がインターネット上に残されている可能性があるため、時間が許す限りネット調査を行います。

 

■2.調査開始

 

事前調査が終了すると、続いて本調査がはじまります。

 

ただし、ここでもいきなり張り込みや尾行を行うわけではありません。本調査に入る時にも探偵は一定の手順を踏みながら調査を行います。

 

〇自宅の場合は本人が調査開始場所にいるか確認

 

調査対象者の自宅から調査が始まる場合、まずは対象者が自宅に居るかを確認します。

方法はシンプルで、自宅に車があるか?自宅の窓に明かりがあるかを確認します。

 

この時、もし自宅に車が無く明かりも消えているとしたら、対象者は調査開始時間より先に自宅を出ていることになります。もし対象者の車にGPS発信機などが無ければ、調査は一旦中止となり、後日改めて仕切りなおすことになります。

 

もし自宅に依頼者がいる場合、調査開始時間よりも先に自宅を出たとしたら先に連絡をもらえれば、その場で調査を一時中止するか、GPSを追って現地に向かいます。

 

〇調査開始写真の撮影

 

調査現場に到着した場合、まずは調査開始を証明するための写真を撮影します。

撮影する箇所は建物の全体像とドア、駐車されている車とそのナンバー、窓の状態などについても撮影します。

 

この写真が無いと、調査が予定通り開始場所から始まったことを証明できませんが、もし現場に到着したのと同時に対象者が出てきた場合は、写真は後回しにして尾行を開始します。

 

〇張り込み位置に付く

 

現場の写真を撮影し終えたら、探偵即座には張り込み位置につきます。

通常の浮気調査であれば2~3名ほどが現場に配置され、各地点から建物内から出てくる対象者を待ちます

 

張り込みの方法は現場によって徒歩で張り込む『立張り』と、車による張り込みである『車張り』の2種類の方法によって行われます。

 

基本的には2つの方法を組み合わせて行いますが、閑静な住宅街や農村部では立って張り込むことが不可能なので車張りを。都心部のオフィス街では車を付けて張り込める場所がない場合、徒歩による張り込みのみを行うこともあります。

 

■3.対象者の確認(面取り)

 

調査開始場所で張り込みを開始したら、あとは建物から出てくる人間が調査対象者かどうかを確認します。

 

〇写真を使って確認

 

対象者の顔を確認することを探偵業界では『面取り』と言います。

面取りのためには、対象者の顔写真が必要不可欠です。もし写真が無い場合は、前述の通り事前調査で写真を準備します。

 

〇対象者の特徴を覚えておく

 

ただし、常に写真と見比べながら面取りを行うわけではありません。

探偵は調査が始まる前に、できるだけ写真を観察しその特徴を覚えます。これにより、もし対象者がマスクやマフラーによって顔を隠していたり、化粧や髪型の変化で印象が変わっていても見抜けるようになります。

 

〇写真はスマートフォンに入れて持ち歩く

 

かつて、探偵は写真をそのまま持ち歩いていましたが、それではセキュリティ面に問題があるため、最近でセキュリティ付きのスマートフォンに入れて持ち歩くことのほうが多いです。

 

また、スマートフォンに入れておくことで、常時対象者の顔を見続けることで特徴を覚えることができます。

 

■4.尾行開始

 

面取りが成功したら、続いて尾行を開始します。

 

ここからが多くの人がしる浮気調査の場面となり、尾行についてある程度の知識を持っている人もいるでしょう。しかし、費用を払っている尾行がどんな方法によって行われているのか詳しくご紹介します。

 

〇尾行は常にローテーションを組んで行われる

 

映画や小説における尾行は一人で行っているシーンが大半ですが、実際の尾行は2名以上の探偵によるローテーションによって行われます。

 

その手法を簡単に説明すると次の通りとなります。

 

【尾行ローテション】

 

1・(進行方向)←対象者←探偵A(尾行担当)←探偵A(バックアップ担当)

 

~一定時間経過~

 

2・(進行方向)←対象者←探偵B(尾行担当)←探偵B(バックアップ担当)

 

この様に、探偵Aと探偵Bが対象者の後ろにつき、交互に入れ替わることで尾行役とバックアップ役を切り替えていきます。これにより、対象者が一度後ろに振り返った時には探偵Aがいますが、続いて振り返った時には探偵Bがいるため、尾行者を特定することが難しくなるのです。

 

・尾行者が多いほど発覚率が下がる

 

尾行の発覚率を下げるためには、ローテーションできる人数を増やす必要があります。

警戒心が高く、後方を確認するタイミングが多い相手を尾行するとなると2名では足らず、3名~5名、もしくはさらに多くの人員が必要になります。

 

この手法は探偵に限らず、尾行を行うあらゆる捜査機関や組織でも同じです。国家的なスパイ犯罪のための捜査ともなれば、現場では50名以上によるローテーション尾行が行われることもあるのです。

 

〇徒歩尾行

 

尾行ローテーションはどんな尾行でも行われますが、尾行で使う事になる足は対象者の移動手段によって変化します。

 

相手が歩いて移動する場合は、探偵も歩きで尾行し、その手法を『徒歩尾行』と呼びます。

徒歩尾行は尾行の基本であり、公共交通機関の発達した都心部では基本的に徒歩尾行によって浮気調査が行われます。

 

〇車両尾行

 

対象者が車を使って尾行する場合、探偵も車を使って尾行します。

この尾行方法を業界では『車両尾行』と呼んでおり、使う車両は自動車かバイクの2種類です。

 

バイクによる尾行は、道路が混雑しやすい都内や関東圏を中心に行われています。使用するバイクは50ccから400ccまでのバイクが多く、目立たないタイプのものが良く使われています。

 

自動車は大型トラックや特殊車両以外なら、ありとあらゆる自動車が調査で使われています。また、探偵事務所によっては他の職種に見えるように車を改造している場合もあります。

 

■5.浮気相手との接触を確認

 

尾行をしている最中、運良く対象者が浮気相手と接触したら、すぐに本人の姿を確認。続いて親密な様子や会話の内容などについても詳しく調べます。

 

〇浮気相手の詳しい容姿を撮影する

 

浮気相手に接触したら、まずはその人物の詳しい容姿について撮影します。

相手の容姿を写真で抑えることで、その後浮気相手が「自分は浮気相手ではない」という反論を防ぐことが可能です。また、裁判では客観性が重要視されるため、第三者から見ても浮気相手が何者かはっきりと分かるように証拠を残さなければなりません。

 

また、浮気相手の容姿は依頼者が不貞行為の次に気になるポイントともいわれています。身長や体格、服装を含めたあらゆる容姿の情報がわかるようにならなくてはなりません。

 

〇親密な様子について撮影する

 

浮気相手と接触した後、対象者は浮気相手と腕を組んだり、手を繋ぐといった親密な様子を示す行動を取るでしょう。探偵はそうした場面も必ず映像証拠として撮影します。

 

中でもキスシーンは親密さを示す最大限の証拠となります。

探偵事務所によっては、キスシーンを抑えた探偵には報奨金が出るような所もあるほど、この証拠はとても重要なのです。

 

〇会話の内容を記録する

 

もしも探偵が対象者と浮気相手の近くに接近できた場合、彼らの会話の内容についても記録します。

 

会話の中には親密度を示すものもあれば、不貞行為の回数や交際期間、さらには対象者の離婚に関する話が飛び出すこともあります。

 

音声はメモで記録することもありますが、ビデオの音声録音機能やICレコーダーを使って録音も可能です。

 

〇食事や買い物の内容を確認する

 

浮気デートの際に立ち寄った店舗で使った金額、食事の内容や利用した施設についても詳しく調べます。

 

とくにお金はどちらが支払ったのかが重要な問題になります。浮気相手が支払ったのか?それとも対象者が支払ったのか?もしくは割り勘だったのか、わかる範囲は全て調べ、メモとして残します。

 

■6.不貞行為の確認

 

不貞行為とは、民法上の浮気を定義した法律です。

 

過去の判例においては『配偶者以外の特定の異性との性交渉』が不貞行為と定義されており、その証拠を手に入れることが探偵に科せられた最大の任務です。

 

ただし、不貞行為の場面そのものを証拠として手に入れることは難しく、不貞行為があったと推測できる証拠を手に入れることになります。

 

〇ホテルへの出入りを抑える

 

浮気相手とホテルに入る場面を映像証拠で押さえることができれば、当然不貞行為を推測できる証拠として使えます。

 

しかし、入るだけでは証拠としては弱いでしょう。

「ホテルに入ったことは認めるが、具合が悪いから介抱しただけだ」

「確かにホテルに入ったことは認めるけど、その場で怖くなり性交渉は一切せずに出てきた」

といった言い訳は、不貞行為が元になる裁判では当たり前のように登場してくる常套句です。

 

このような言い訳は普通は通用しませんが、証拠と客観性が重要視される裁判の場面では、相手側がこのような反論をした場合、原告側が反論するための証拠を提示する必要が出てきます。

 

そこで、ホテルに入ったとしてもすぐに調査は打ち切らず、その後ホテルから出てくるまで張り込み、出てくる様子も抑えます。これにより、滞在時間から不貞行為を証明することができます。

 

不貞行為があったと証明するためには、少なくとも2時間前後の滞在時間があったことを証明しなければなりません。探偵事務所側から必ず説明はあるでしょうが、ホテルに入ったからといって調査を打ち切らないようにしなければなりません。

 

〇部屋の明かりなどが消えているか確認する

 

浮気相手の自宅や勤務先、浮気専用の部屋で不貞行為が行われることがあります。

この場合、重要となるのは滞在時間だけでなく、部屋の明かりも証拠になりえます。

 

浮気相手と一緒に部屋に入ったとして、2時間前後の滞在時間があったとしても「仕事の相談をしていた」「一緒にゲームをしていただけ」という反論が飛び出すかもしれません。

 

そのような反論を避けるためには、部屋の明かりが消えたか、建物の外側から確認するのが一番です。遮光カーテンを付けていたとしても、完全に明かりを遮断することはできません。隙間から覗く光が消えたことを確認し、そこから何時間明かりが消えていたのか確認できれば、不貞行為を証明する重要な証拠となります。

 

■7.浮気相手の帰宅先を確認

 

不貞行為の確認が終わってもまだ調査は終わりません。本人の帰宅は確認せずとも、浮気相手の帰宅先だけは確認する調査がとても多いです。

 

〇慰謝料請求がやりやすくなる

 

浮気相手の帰宅先を割り出すことで、その住所を知ることができます。

また、その住所を起点に調査を進めることで相手の本名、勤務先、そして家族構成についても調べることができます。

 

このような情報があれば、慰謝料請求はより行いやすくなります。内容証明郵便を送ることも簡単になり、請求金額の決定や慰謝料交渉の方法など、あらゆる面で有利に進めることができるようになるのです。

 

〇浮気相手との話し合いが可能になる

 

相手の住所がわかれば、浮気相手との話し合いをすることも可能になります。

浮気相手と別れるといっても、それは口だけで裏では関係を続けるかもしれません。

そんな事にならないためにも、浮気相手の連絡先を抑えておくほうが良いのです。

 

■8.調査終了

 

調査は探偵事務所が勝手に終了させることはありません。契約にのっとり、依頼者との協議の上調査を終了します。

 

〇調査時間の経過

 

依頼者との取り込めにより、契約時間を過ぎた時点で調査を自動的に終了させることができます。

 

ただし、事前にその旨を探偵事務所側に告げておかない場合、依頼者とのトラブルを避けるために連絡が行くことになっています。

 

〇依頼者からの要望

 

依頼者からの要望により、契約時間より早い段階で調査を終了させることができます。

また、反対に調査時間を延長する場合にも依頼者からの要望が必要になります。

 

探偵事務所が勝手に調査を延長したり、経過時間内に調査を終了させることはできません。できるだけ探偵事務所と密に連絡を取り合ってください。

 

〇終了写真の撮影

 

最後に、探偵は必ず調査終了場所となった場所や建物の写真を撮影します。

これにより、探偵が初めから最後まで、確かに対象者やその浮気相手を追い続けたことが証明できます。

 

■まとめ

 

以上が探偵が行う浮気調査の全ての手順です。

これを見れば、浮気調査がなぜそれほど高い費用が掛かるのか?そして、探偵がどんな技術や知識を持っているのかも理解できたはずです。

 

探偵は浮気調査のプロです。

プロの調査は常に安全かつ確実に証拠を集め、さらにはその後の裁判や慰謝料請求すらも見据えて行っています。浮気調査を依頼するのは、プロの知識と技術、経験を借りるということに他ならないのです。