前回は中野信子著「人は「イジメ」をやめられない」からイジメを生む脳の仕組みをお伝えしました。
今回はいよいよ実践編
脳科学から見たイジメ対策を紹介したします。
いじめられやすい人の特徴
暴力を伴ういじめを受けやすい激しいいじめを受ける人の身体的特徴は、
・体が小さい人
・体が弱い人
・太っている人
・行動や反応が遅い人
いじめる方は本能的に、反撃が来たり、手こずりそうな人を避けて、反撃しなさそうな相手をターゲットに選んでいるようです。
言動的には
大人しい。
言い返さない。
声が小さい人。
なども、いじめられやすいです。
人柄、性質、といった内面的特徴もあります。
・集団の和を乱す人
・真面目で一人だけ正しさを主張すること
・雰囲気を台無しにしてしまうタイプの人
いわゆる空気を読めない人ですね。
集団の中で悪目立ちしてしまい、その人の行為は気に障る、目障りな言動と捉えられます。
側にいるだけでなぜかイライラしてしまう人っていませんか?
なぜその人にイライラしてまう方も分からないし、本人も自覚がないし、直しようがないものです。
企業では、パワハラやリストラの対象にもなりやすいです。
こんなタイプの人がひどい目に遭っているのを端から見ると、空気を読む、当たり障りのない発言をする、忖度する人が増えていくのでしょう。
日本人はリスクを高く見積もる不安型の人が圧倒的です。
その傾向がますます空気を読む社会を作りあげているようですね。
自分よりちょっと上の人が一番狙われやすい
自分より圧倒的な差がある人を妬む人はいません、将棋の藤井聡太二冠を「若いのに生意気だ」と攻撃する人はいません。
あまりにもレベルが違いすぎるからです。
妬みの対象になるのは、自分たちよりちょっと、頭がいい、顔がかわいい、ちょっと裕福な家庭の子です。
学校というのは、もともと同じくらいのレベルの子が通っているので、妬みだらけだと言えます。
妬みの感情は【シャーデンフロイデ】と呼ばれ、人間にもともと備わっているもので、防ぎようがありません。
いじめられる対象いじめる人も流動的で相対的です。
固定されているワケではないので、いじめっ子だった人が突如いじめられたり、逆にいじめられっ子だった人がいじめっ子になるのは充分にありえるのです。
いじめが起きる季節がある?
いじめは5月~6月、10月~11月に激化すると言われています。
まず、日照時間に変化が起きて。体内のセロトニンの分泌量が不足してきます。
するとイライラが増えます。
運動会や文化祭などイベントで団結してオキシトシンが分泌されます。
仲間意識が強くなると共に、自分たちと違う異端のものに対して敵意を持つようになります。
中野さんはこの時期にいじめを引き起こさないために、不必要に仲間意識を高めないことが重要だと言います。
オキシトシンを必要以上に分泌させると、転じていじめの空気が増えていくのです。
大人のいじめ回避策
女性同士の仲でいじめられないようにするには、あえて女性性を出すのを控えると目立たなくなります。
髪の毛を短くしたり、声を低くしたりして、あえて女性らしいかわいらしさを消して、同性からの妬みを受けるのを排除します。
子供のいじめはももクロから学べ!
日本で団結と言うと、1つの色に染まって個性を押し殺すイメージが大きいです。
しかしアイドル「ももいろクローバーZ」はそれぞれにイメージカラーがあり、それぞれの個性を際立たせ、ライブでも一人一人がメインになるパートがあり、まわりのメンバーはメインの人をサポートする。
各々が自分の個性を打ち出しながらも、まわりもサポートしていくという関係ができています。
誰一人として個性が殺されることがなく、みんながイキイキしている。
理想の教室のお手本です。
それぞれがみんな違うから妬みが起きようがありません。
普段はよいものとされる団結がいじめを生み、愛情が強いほど攻撃的になり、仲間を大切にすることが実はいじめ、差別、戦争を引き起こしているのです。
脳科学では既に解明されているメカニズムでも、なかなか一般の人が腑に落ちるまでは行かないようです。
人間関係はいい距離感が大切
離婚でも相性がいいと思って一緒になったのに、すれ違って最後には離婚と言うケースがあります。
まさに【かわいさ余って憎さ百倍】
オキシトシンは分泌しすぎると悪い方に向かってしまうようです。
コロナ禍で会社、学校のリモート化が進んでいます。
そこでは妙な人間関係の摩擦が少なくて、トラブルが少なくなっているようです。
しかし、再び学校や会社に行くようになると、今まで距離が会った分、行き違いが生じていじめやパワハラが生まれているようです。
やはり、人類はどうしてもいじめはやめられないようですね。