「人の世はまさに詐欺だらけ」というように、世の中の人は実は騙されたがっているのではないかというように、詐欺師からしてみれば、一般の人はカモがネギ背負ってやってくるようなもんなのでしょう。

アンダーグラウンドの情報専門のジャーナリスト日名子暁さんの著書「詐欺師たちの殺し文句」から詐欺師の法則を考察します。

なお、これらの法則は合法的なセールスや、通販番組や、会員制ビジネスなどでも利用されています。
身近にあってついつい手を出してしまう買い物なんかでもこの法則が散りばめられています。

よく注意して観察してみてください。

 

詐欺師の法則

 

詐欺師の法則1・返報性

 

通販でも無料サンプルというのがあります。
無料サンプルを配布したら、一定の確率でリピート購入する人がいるのでその手法が採用されているのです。

またブログや YouTube で有料級の情報を惜しげもなく提供している人の、情報商材やオンラインサロン、スクールならきっと有益なものに間違いないと信頼して加入します。

詐欺師もこれと同じテクニックを利用します。

来るだけで無料でたくさんのプレゼントをもらったり、旅行や接待などを受けると「受け取るばかりでは悪い、何かお返ししない」とという気になります。

実はそれこそが詐欺師の狙いなのです。
ただより高いものはない。
ということですね。

詐欺師の法則2・好意

 

人は全く知らない人よりも、知ってる人から物を買いたいものです。 知ってる人の中でも好感度が高い人の方がよりいいものをたくさん買いたいと思います。

セールスマンが訪ねてきて、最初は邪険に追い返していたのに、断っても断っても何度も訪問するうちにだんだん親しくなって、ついにはこいつから買ってやろうと言う気になります。

テレビのタレントでも個性が強いキャラクターだと、最初は嫌われてしまいます。しかし何度もテレビに登場していくたびに、だんだん慣れてもくるし、長所もわかるようになってきて、最終的には好感度ナンバーワンになったりします。

それと同じで接触回数が多いと信頼度が増し、詐欺にあっているのに全く気づかないということもあるのです。

人間本来の温かい部分につけ込んだ卑劣なやり口ですね。

 

詐欺師の法則3・権威

 

人情では心が動かされない人に対しては、権威付け名誉心をくすぐるのが有効です。

以前は消火器などの詐欺で、消防署ではなく「 消防署の方からきました」という「方から詐欺
」というのが流行りました。

権威のある肩書きつけるとすっかり信用してしまう人間の弱いところ。

詐欺的なセールスで怪しいと思っても、大きな会社と協力関係にあるという名前を出されたらイチコロです。テレビにも出ている著名人の講演会のスポンサーだと言われると、著名人の名前だけで相手を信用してしまいます。

電話が自由化された時には、NTT の名前を語る
詐欺が横行しました。

学歴も重要で、怪しげな健康食品や健康器具でも、東大卒や東大教授などの肩書きがある人か保証していると、無条件に信用してしまいます。

 

詐欺師の法則4・希少性

 

人は限定あと何個! と言われると、それが何であっても欲しくなってしまいます。

BS の通販番組では商品の残り在庫数がカウントされて秒ごとに在庫が減っていきます。

それを見ると、慌てて受話器に手をとりたくなりますね。

詐欺師が儲け話を持ってきて、「これはあなたにだけお知らせする耳寄りな情報です。誰にも教えないでくださいね」と持ちかけると、あなたは二重のトラップにかかっています。

1 自分だけに教えてくれたすごい情報だと思ってしまう。
2 誰にも教えないことで、誰にも相談できなくなり、詐欺であることに気がつかない。誰にも知らせないので、騙されたまま契約まで持ち込まれてしまう。
さらに期間限定とされて、早めに決断しないと話がなくなるという条件をつけます。
「早く契約しないと、旨味のある話が誰かに取られてしまう」と焦って、契約書にサインをしてしまうかもしれません。

 

詐欺師の法則5・一貫性

 

詐欺師はその場限りの嘘を適当に喋っていると思いがちです。

騙すのがプロの彼らは他人の矛盾点にも敏感です。

例えば資格試験を取るための高額の講座を売りつける場合、客が受講することに戸惑っていたら、「受講することで資格を取得して仕事を得たい」という欲求と、「受講してもちゃんと自分が勉強するかな」という戸惑いの中で揺れ動いています。
その矛盾をつけば、客はあとひと押しでサインをするでしょう。

 

詐欺師の法則6・集団心理

 

集団にセールスを行う場合には必ずサクラを用意しておきます。

サクラが我先にと購入すると、集団心理で自分も買わなくてはいけないという焦りに駆られて、ターゲットもサクラの後に続きます。

 

まとめ

 

詐欺の法則をお伝えしました。

詐欺の手口は時代によって次々とその姿を変えていますが、根本は詐欺の法則に象徴されるように人間の心理を巧みについたもので、その根本は変わりません。