山田孝之主演のドラマ全裸監督が Netflix で放送され、一躍世界的に有名になった村西とおる監督。

村西監督の最大の武器と言えるのが、トーク術応酬話法でした。

ガードの固い美女を口説いてアダルトビデオの出演を承諾させ、巨万の富を築く。

一転、50億円もの借金を抱えて、債権者から命を狙われて、絶体絶命の状態から脱出する。

成功した時も、大ピンチの時も常に頼りになったのはそのトーク術でした。

ところが村西監督。

実は少年時代はとても無口だったとか。

若い時に経験した飛び込みセールスで身につけたものです。

自分が使えば人を動かすこともできる強力な武器になりますが、悪用されると持っているお金がこっそり騙し取られてしまったり、うっかり判子を押してしまったりします。

応酬話法の種類と特徴を知って、 騙される危険を回避し、上手に活用してください。

 

 

応酬話法とは

 

応酬話法は村西監督の発明ではありません。欧米から持ち込まれたセールスのテクニックで、戦後に急速に普及しました。

村西監督は逆に断られる大きな五つのケース、高い必要ない今すぐ決められない同じものを持っているお金がないなどのパターンをどのように対応していけばいいか徹底的に訓練したと言います。

 

高いと言われた場合の応酬話法

 

例えば売ろうとしている商品が高いと言われた場合には、
・商品を使った後のゴールをイメージさせる。
・分割払いで支払う金額を日割りで計算して、
それが未来の動詞となって、収入のアップにつながるなら1 日缶コーヒー1本分であると安さを強調します。

 

必要ないと言われた場合の応酬話法

 

必要のないと言う客には、商品の必要性を説きます。
例えば英語教材の場合は、あまり英語に興味がなく、英語能力の必要のないレベルの会社に勤めている人もいます。
英語教材を必要じゃないと断定することは、自分の可能性を否定することだと説得します。

 

今すぐ決められないと言われた時の応酬話法

 

今すぐ決められない人は、いくら日にちがあってもずっと決められない人だと、即決することの大切さを訴える。

同じものを持っていると言われた時の応酬話法

同じものを持っているのではなくて、同じ種類のものを持っていると認識させ、わずかな違いでも、そのメリットを強調させる。

わずかなメリットが長期的には大きな開きになることを訴える。

 

お金がないと言われた時の応酬話法

 

未来への投資に、わずかでも躊躇するなら、それはお金がないのではなくて知恵がないことだと訴える。

このように、こちらが望む相手の行動を躊躇させる要素を取り除いて行きます。

中には屁理屈? にしか思えないような言葉もありますが、自信を持って迫られると、だんだんそうなのかなあと、悪いのは自分の方なのかなとを思ってきます。

これが応酬話法の恐ろしいところですね。

次からは具体的な応酬話法の種類を紹介します。

 

質問話法

 

質問に答えていくうちに、その商品を買うように誘導されている。

自分の意思で商品を買ったように方向付ける話法です。

また質問を投げかけることで、客がその商品を買う必要があるか、また買う見込みがあるかどうかを判断することができます。

質問話法を使う立場からすれば、逆にしてほしい行動を逆算して緻密にセールストークを組み立てる事前の準備が重要です。

 

間接否定話法

 

いわゆるイエス&バット話法ですね。

相手の発言を一度は肯定しながら、違う視点を相手に投げかけるのが特徴です。

客の発言に対して真っ向から否定してしまうと、相手は自分を理解していないと思い、コミュニケーションを拒否されてしまいます。
それではもうセールスどころではありません。
客の発言は必ず固定しながら説得することが肝心です。

セールスされる方の立場から言えば、相手が同調してくれるので、気分良く自分の気持ちを話しているうちにいつのまにか商品を買っていたという状態になっているかもしれません。

そのセールスマンはきっと間接否定話法のエキスパートですね。

 

繰り返し話

 

Yes but とは違い、相手の否定の言葉をそのまま受け入れます。
相手の言葉を繰り返すことで、相手と同調し隠れた要求を引き出し、セールスにつなげます。

 

実例話法

 

実例を出して、商品を使った時の具体的な成果を紹介する話法です。

健康器具やダイエット食品などの通販番組などで使われる技法です。

いくら理屈で効能を唱えても納得できませんが、実際に利用して、成功事例を出すと説得力が違います。

しかし、映画「コンフィデンスマン.JP」のように実際のものを見せておいて、実例自体が詐欺というケースもあるので要注意ですね。

 

聞き流し話法

 

相手の話を否定も肯定もせずから黙って受け流します。
客の気持ちはもうすでに決定しているのですが、自分の気持ちを納得させるための時間が必要なのです。
相手からイエスと言ってくるまで、寄り添い続けます。

 

まとめ

 

以上、村西とおる著「応酬話法」からさまざまなセールストークのテクニックを紹介しました。

いろんなことに応用ができそうです。
何し監督も強調していますが、体に染み込むまでの訓練が大事なようです。