精神科医・片田珠美氏は警察病院・病院・大学と勤務してきましたが、患者から不倫の相談を聞いたといいます。
お堅いイメージの警察、病院、大学の中でも不倫は頻繁に起きているようです。
数々の不倫を見聞きしてきた片田氏が語る著「不倫という病」から不倫をしてしまう理由を紹介します。

 

精神科医が語る不倫の理由

 

性欲が暴走するサチリアージス

 

不倫の理由としてやはり多いのは、性欲を満たすためです。
特に男性に多く、次の2つに大別されます。
1.人1倍性欲が強い
2.性的欲求不満

人1倍性欲が強い典型例として、アンジャッシュの渡部建さんが挙げられます。
結婚前から複数の女性と関係を持ち、しかも相手女性を性のはけ口としか思っていない雑な扱いで、いまだ芸能界どころか社会復帰のメドも立っていません。
渡部さんのように並外れて性欲が強く、異常とも言えるほど性欲が亢進していると考えられる場合「サチリアージス」と呼ばれます。
ギリシャ神話に登場した半人半獣で、上半身は人間で下半身はケダモノのサチュロスに由来します。
旺盛な性欲が死ぬまで尽きることないタイプで、この手の男性と結婚した場合は一生悩まされることになります。
渡部さんもセックス依存症とは診断されませんでした。
セックス依存症は性欲が強いわけでなく、辛い気持ちを紛らわすため性的なことに依存するのでまたタイプが違うようです。

 

性的欲求不満

 

性欲が特に強いわけではないのに、性欲を満たすために不倫をする場合もあります。その背景には性的欲求不満があるようです。
多いのは妻の出産直前後に夫が不倫するケースです。
妻は妊娠中や出産直後は赤ちゃんにかかりきりで、里帰りもするので、その間に他の女性と関係を持つケースが多いようです。
妻にとっては一番大変なときの裏切り、たまったもんではありませんが。
またセックスレスも欲求不満がたまる原因です。
出会った頃は頻繁に行っていた性行為も新鮮さが無くなると億劫になってきます。
お互いでも、どちらかでもその気にならないと成立しないので、欲求が満たされない場合は他の異性になびきやすくなります。

 

自分がないがしろにされているという不満

 

妻の出産前後は性的不満だけでなく、自分が大事にされていないという不満を感じ不倫に走る夫も少なくないようです。
妻を助けるならともかく、妻が世話をしてくれないのに不満を持つとは、子供じみた発想のように思えますが、20代前半前に若くして結婚した男性に多いケースです。

 

理解してもらえないという不満

 

父親になることによって自分にのしかかる責任を負担に感じたり、それまでの自由を失ったと思ったりすることはどんな男性にも多かれ少なかれあります。
そういう気持ちを妻に理解されない不満から不倫を行う場合もあります。
片田氏が担当した不倫相談でも、子供の誕生後父親としての責任を重荷に感じ、同時に自由を失ったと思ったという男性が多かったそうです。
妻の側から見れば夫のわがままとでしかない言い分ですが、多くの男性の本音であり、不倫に走る要因であるのは間違いないようです。

 

自分が愛されていないという不満から、女であることへの再確認

 

自分が愛されていないという不満も不倫の原因になります。
とくに主妻が不倫に走る大きな原因です。
もともと日本人は、欧米人と比べると、「愛している」と面と向かってはいいにくい傾向があります。
愛情をはっきりと表現されないと受け取れないタイプの女性もいて、その上にセックスレスが重なると余計に、女としての価値がないのではないかと疑うようになります。
ちょうど子供の世話が一段落した頃の、50歳前後の閉経間際にそのように思うケースが多いようです。

 

強すぎる束縛

 

「愛されていないかもしれない」という不安が相手に対する過度の束縛になって現れる場合もあります。
四六時中、相手の行動を監視。
スマホを毎日確認して怪しい行動がないかチェック。行く先々で電話をして本当にそこにいるか確認。
あまりにも束縛が強すぎて、逃げ出したくなって不倫するケースもあります。
ある医師は浮気防止のために毎日妻から500円だけその日使える小遣いを支給されます。
小遣いゼロの不満を持つようになって、別の病院の当直のアルバイトをするようになります。
そのアルバイトは別口座に入金していたことがバレて妻と大げんかに……
耐えきれなくなった医師は、家を出て当直先の病院の看護師の家に転がり込みます。
その後、医師は多額の慰謝料を払って離婚しました。
医師は不倫に走り、離婚したことを全く後悔していません。
毎日小遣い500円の生活よりはましということです。
不倫されないようにと思ってきつく束縛したことで、本当に不倫されてしまうという皮肉な結果に終わりました。
何事もやりすぎはよくないようです。