「危険人物をリーダーに選ばないためにできること~ナルシストとソシオパスの見分け方」の著者ビル・エディは長年の研究から、世の中のトラブルのほとんどは「対立屋」というなんでも争いごとにしてしまわなければ気が済まない人格が引き起こしていると気がつきます。パーソナル障害で言うとナルシストとソシオパスに辺り、社会のあちこちに潜んでいます。その究極の存在がヒトラーや、プーチンなどの独裁者です。独裁者のほとんどがいきなり国を乗っ取ったわけではなく、民主選挙で選ばれています。対立屋はどのようにして、天下をとるのか、その対処法を探っていきます。
二十世紀。世界はたった三人の人格によって大量殺人を行った
ビルは「二十世紀はヒトラー、スターリン、毛沢東の人格によって世界は大量殺人を行った」と主張します。ヒトラーが登場するまでは歴史的にユダヤ人は差別されてはいても、大量に殺すほどの憎しみや偏見を持たれていなかったと言います。全てはヒトラーの手によって、ユダヤ人を憎悪するように仕向けられていきました。ヒトラーは自分がドイツのトップに立つために上手にドイツ人とユダヤ人との対立を利用したのです。スターリン、毛沢東もうまく資産家と労働者との対立を利用しました。
対立屋の人格のパターン
対立屋という存在は政治思想や宗教によって区別されません。対立屋はどこにいても必ず人との争いを起こし、自分がトップに立とうします。
1.標的とした相手を必要に非難する
2.何にでも白黒をつけずにいられない
3.攻撃的な感情を抑制できない
4.極端に否定的な態度を取る
そして、対立屋は人づきあいに問題を抱えて、自身の言動を反省することなく、自分を変えません。
こうしてみると、けして権力の上に立つ与党だけじゃなくて、野党の議員も常に相手を攻撃、否定することに一生懸命ですし、政治家を卒業して評論家・コメンテーターになった人も結局は議論で人と真っ向から対立を起こしており、穏やかに過ごしている人は少ないですね。
ビルはもう一つ、対立屋の特徴を挙げています。対立屋はみんな魅力的で説得力がありカリスマ性を持っているというのです。ほとんどの独裁者も最初は民衆から、支持されていました。次第に化けの皮が剥がれてその本性が露わになります。
懸命なのは権力にしがみつかずに、さっさと人に譲って退陣することです。長く権力の座にいるほどボロが出やすくなります。しかし、対立屋は1度握った権力をなかなか手放しません。権力の座に長くいるために、ルールを変えてでも居座ろうとします。そこに破滅の種があるとも知らずに……
あなたのまわりにも対立屋はいませんか?