中高生時代に壮絶ないじめを経験した後、出産育児を経て弁護士になった菅野朋子さん。著書「いじめられっ子だった弁護士が教える自分の身のまもり方」では、いじめられっ子へのメッセージが語られています。

 

 

1.いじめる方が恥ずかしい

 

いじめられていることを恥ずかしいと思っていると、いじめの被害を誰にも訴えられなくなります。またいじめで受けた心の傷を人に話せないままだと、コミュニケーションにも支障がでます。いじめられた側はいじめを恥ずかしがることはありません。むしろ恥じるべきなのはいじめっ子の方です。

 

2.いじめっ子と同じ土俵に立たない

 

いじめられたことが悔しくて、仕返ししたら、恥ずかしいことをしている人と同じレベルの人間になります。いじめっ子は相手にしない、関わらないという強い気持ちを持つことが大事です。普通でいること、幸せに生きているということが最大の復讐です。

 

3.学校はすべてじゃない

 

小学校から高校までは学校で過ごす時間が長いため、学校の常識が世界の常識に感じられるかもしれません。そのため、「学校に居場所がない自分はどこにも居場所がない」と絶望してしまう人も多くなります。しかし、視野を広げると、学校の外以外には様々な価値観があります。学校以外の居場所をみつけて、やりたいことをやればいいのです。学校に行かないと、その後人生がダメになることもありませんし、学校に行かなくても幸せな人生を送ることができるのです。

 

4.とにかく誰かに言おう

 

いじめられたら、とにかく一人で抱え込まずに誰かに伝えましょう。親や先生に相談するのが一番ですが、親も先生も頼りにならない場合もあるでしょう。そんなときは信頼できる友達や、学校以外に関わりのある塾や習い事の先生に相談しましょう。
どうしても知っている人に言い出せなかったら、都道府県の相談ホットラインや、弁護士会に相談する方法もあります。

 

5.未来を信じよう

 

いじめを受けて学校へ行けなくなったら、気持ちが落ち込んでしまうのは当然です。「なんのために生きているのだろうか」と思ってしまうかもしれません。それでも菅野さんはたった一つでいいから信じるものを持ってほしいと言います。

 

いじめられっ子の親へのメッセージ

 

最後に菅野さんはいじめられっ子の親に対してメッセージを記しています。

・まずは共感することが大切
・共感しても同調しない
・学校に行かせるべきか

まずはともかくいじめられた我が子に寄り添い、本人の話をよく聞いて共感することが大事です。しかし、同調して一緒に落ち込んでいては、解決に導くことはできません。どんと構えて。客観的視点を失わずに、冷静な立場で、自分が解決に向けてできることを考えていくことが大切です。

いじめを知った瞬間に、「もう学校に行かなくていい」と積極的に休ませようとする対応が多いですが、菅野さんはその風潮に反対しています。いじめにより学校に行けなくなり、転校した経験から、一度学校から離れてしまうと復学するハードルが高くなるので、登校できる余地があるなら、登校した方がいいと語っています。
ですが、子どもがどうしても行くのは無理だと感じている場合は、矯正すべきではなく、登校を強制するのは最悪で、これは絶対に避けなければなりません。