犯罪学者の清永賢二氏の著書から、犯罪者目線からの防犯についての心構えで、今回はひったくりや車上ねらいなどの路上犯罪の予防法についてお伝えします。
「自分の身は自分で守る」が基本
「愛する人は絶対に守りきる!」
と言っても、パートナーにしても、子供にしても四六時中べったりしているワケにはいきません。
一人になった時には誰も守ってくれません。
結局は、自分自身で自分を守る覚悟が必要です。
狙われやすい6人のタイプ
1・襲うだけの価値がある者
2・無防備である者
3・体力がない者
4・心理的強度が弱い者
5・孤立している者
6・襲いやすい環境下にある者
1・襲うだけの価値がある人と判断される外見です。
女性だと人目を惹く格好をして出歩かない。
着飾っている場合は危険なエリアに行くのは避ける。
高級なアクセサリーや鞄などを身につけない用心が必要です。
無防備な人とはまわりに目を配らずに電話やスマホなどに気を取られている人です。
心理的強度が弱いとは
視点が定まらず、ウロウロキョロキョロ見渡したり、服装が極端に子供っぽかったり、逆にに大人っぽかったりする人。
服装がだらしない。服や、靴、帽子などをだらしなく着こなしている人です。
強要されたら断られない性格の人です。
危険と言われてる場所にわざわざ入る。
また孤立している人はいつも一人でいる人だけでなく、集団の中にいても疎外されている人もその対象になります。
狙われる人の6つのタイプはそれぞれバラバラなワケではありません。
中には複数の要素が合わさっている人もいます。
その要素が多ければ多いほど狙われる可能性も高くなるのです。
性犯罪者の場合、襲う前に必ず被害者を前に見ているといいます。
被害者には全く身に覚えがないかもしれませんが、犯罪者は絶対に見誤らないのです。
事前に被害者の様子を見ておくことで、
警戒心がない、いつも一人で歩いている、体力がない、危険な場所に歩いていくなど
事前の情報を収集して犯行の精度を上げていくのです。
ひったくりのカモになる人
1・スキの多い人
2・人通りが極端に少ない場所や通路にいる人
3・視界が薄らぐ時間帯にいる人
4・極端に年齢が高い老人、もしくは低い子供
5・女性
6・歩車道の区別のない道路にいる人
7・裏通りで広くもなく狭くもないといった普通路にいる人
4や5など、性別や年齢は変えようがありません。
しかし、それ以外だと危険が発生しそうな場所・時間帯は足を踏み入れない用心をして、
外出した時は常に何が起きても対応できるように、周囲に気を配るようにしましょう。
不連続の灯りに気をつける
街の該当でも等間隔に灯りが灯っていれば問題ないのですが、ポツポツと灯りが途切れている場所は犯罪を行う絶好の場所になります。
犯罪者も全く灯りのないまっ暗闇では、犯行がやりづらいのです。
逆に灯りがところどころ灯りが途切れていると、暗闇に自分の姿を隠す。
灯りのある場所で被害者を確認し、暗がりに引きずり込む、または暗がりで犯行するのも用意になります。
すれ違いには相手の身長の×0.8以上の間合いを確保する
被害に合わないためには相手との適度な距離をとらないといけません。
猛獣使いは足さばきをして常に猛獣との適正な距離を保っています。
猛獣が危険な範囲に侵入してきた場合は、鞭で脅して絶対にそれ以上踏み込めないように
距離を保てない。
人間が一瞬で相手の安全圏内に踏み込めるのは自分の身長×0.8の距離だと言います。
身長180cmだと144cmになります。
全力で20m走る!
前述の通り危ない人が20m以内の圏内に踏み込んで来たら、全力で逃げなければなりません。
と言ってもそこからフルマラソンを走らなくても大丈夫です。
危険な距離20mを全力疾走で逃げられるように、普段から身体を鍛えておきましょう。
そして、大丈夫な地点まで来たら、大声で助けを叫ぶことです。
普段大声を出す機会もなかなかありません。
その上、突然危ない人が現れたら恐怖のあまり、身体がこわばって声が出にくくなります。
咄嗟には大きな声は出にくいのでこれも訓練が必要です。
最終的な危機になった時にの最後の防衛術は噛む!
もし相手が襲ってきた場合は、抵抗しない方がおおむね無難です。
しかし、命に関わるほどの攻撃をしてきたら、命がけで反撃しなければなりません。
と言っても下手に手足を出しても無力です。
人間の噛む力は小型犬よりも大きいので、本気で噛み、相手が悲鳴をあげるまで離さないことです。この方法で幼稚園児でも難を逃れています。
防犯の第1歩は犯罪者の心理をすること
犯罪者はいつも見えないところで、市民を見張っていて、いつでも犯行のチャンスを伺っているのです。
渡る世間に鬼はないと考えていたらとんでもない被害に遭いそうです。
犯罪者の心理を知ることで、防犯の意識を高めて欲しいと思います。