不倫で謹慎していたお笑い芸人が謝罪会見を開いて、取材陣に滅多打ちにされました。
ノーガードの相手に集団でボコボコに!
いじめどころか集団リンチの様相を呈してきました。
かたや、不倫が発覚しても記者会見もしない大物タレントもいます。
世間の風辺りも鎮静していました。
この違いは一体なぜ起こるのでしょうか?
不倫をしたら本来傷つくのは不倫サレた方の配偶者・家族であるはずなのに、不倫をバッシングされて二重に深手を負ってしまいます。
中野信子著「不倫」から不倫を批難する心理を紐解きます。
日本人は発展途上国なみに不倫が横行
統計によると世界的に経済的に貧しい発展途上国の方が不倫が多い傾向があります。
ところが日本は経済的には豊かなはずなのに不倫が多く、不倫を容認する考えを持ちながら、なぜか不倫が報道されるとバッシングされるという矛盾した現象が起きています。
不倫をする人はフリーライダー
社会のルールや義務は守らない【フリーライダー】という存在があります。
フリーライダーは働かないアリに例えられます。
アリの一族のほとんどは働きアリなんですが、ごく一部だけが働かないアリです。
ほとんどが列をなして働いているのに、はみだしものアリが列からはみ出て違うところへ行きます。
しかし、そのはみだしたアリが見つけた場所が新しい食べ物のルートの発見につながるのです。
でも、働かないアリのほとんどは新しいルートを発見できずに終わります。
発見できるアリはごく一部なのです。
フリーライダーのほとんどはリスクをとっています。
危険なポジションだから、獲得した利益の大きのは当然です。
しかし、フリーライダーの中にはリスクもとらないで、ちゃっかりうまみを得ている者います。
それが、品行方正な人格や行動が要求される立場の人が、その地位のうまみをうけとりながら、
絶対ルールである品行方正を破り不倫をしてしまったら、社会的制裁を受けることになります。
フリーライダーを許さない妬みの心理
例のお笑い芸人が激しく叩かれて、同じ不倫をして同時期に話題になった大物アイドルや政治家夫婦はあまり騒がれず鎮静化しました。
相手が持っている所得、外見、才能が自分と違わないのに、自分では到底手に入れられない、大きなモノを手にいれている人に妬みの感情をいだきます。
芸人はアイドルや政治家と比べたら下に見られがちです。
一般人にしても芸人を下に見てしまう傾向があります。
そんな芸人が人が羨む美女を奥さん持ちながらの不倫は格好のバッシングの餌食になります。
一方、大物アイドルの妻も不倫相手も一般人でしたし、政治家の夫の不倫も同じで、そこまで妬みを感じません。
大物アイドルだともてるのは当たり前で、自分とはポジションが違い過ぎて、比べようありません。
「ああ、女の人が次から次へ寄ってくるのは当然だろうな」
と思い、妬みの対象にはなりにくいのかもしれません。
妬みのホルモン? オキシトシン
育児をするお母さんが多く持つと言う別名【しあわせホルモン】と呼ばれる脳内物質オキシトシンですが、実は妬みの感情を高めることも知られています。
愛情と妬みって全く正反対なのに、なぜオキシトシンが関わるのでしょう?
オキシトシンは「自分の愛する人のためにつくしたい」「自分の属する共同体のために役立つことをしたい」という気持ちを高める作用があります。
反対に認知機能の客観性が下がってしまう副作用があるのです。
仲間と敵を区別して、仲間には愛情を注ぎながら、一方では敵だと思った相手には容赦なく攻撃をするようになります。
一般に欧米では、赤ちゃんの早い自立を促すために別の部屋で寝かしつけます。
一方、日本ではお母さんと赤ちゃんとが常に一緒にいます。
母子の密着度合いも強いので、オキシトシンの分泌が活発になります。
オキシトシンが多いから、愛情も多いかわりに嫉妬の感情も多くなるのです。
同調圧力がバッシングを生む
実際に不倫をする人に接すると、そこまで肩身の狭い思いをいている様子はありません。
不倫を許せないという空気はたしかにあります。
自分が不倫サレる場合は別として、人は不倫に対して、よくもわるくも感心がないのが実情です。
しかし、同調圧力というものがあり、場の空気を感じてその場に合わせてバッシングしている所があります。
げんにあまりにも取材会見での記者の芸人への風当たりが強すぎたために、今度は芸人を擁護する発言や、逆に記者に対するバッシングが目立つようになりました。
このようにバッシングの度合いと対象は時と場合によっても変わり、時代によっても変わります。
いずれにせよ不倫はトラブルの発生の元なので、ないにこしたことはありません。