最近芸能界では60代の自殺が立て続けにおこりました。渡辺裕之さんは逞しさ、上島竜兵さんは笑いの象徴的存在、二人とも仕事は順調だったのになぜ突然死を選んだのか?
自殺した人全てに言えるでしょうが、本当の理由は当人にしか分かりません。
もしかしたら自分の弱さを受け入れることができていれば、最悪な選択をしなかったかもしれません。
自分の弱さを受け入れられれば弱くても生きていける
「本当の勇気は「弱さ」を認めること」の著者ブレネー・ブラウンは長年、カウンセリングを通じて多くの挫折を経験した人に調査を続け、研究の結果、挫折から立ち直った人に例外なく存在したのはvulnerability (ヴァルネラビリティ )だったことを発見します。
ヴァルネラビリティという言葉では、コンピュータのセキュリティ用語では脆弱性(ぜいじゃくせい)だと訳されて、weak=弱さと似たような意味で使われますが、無防備さと訳すのが一番しっくりします。
挫折を乗り越えた人はみんな、自分の弱さをさらけ出しており、自己開示しているから、失敗や挫折を恥と思わないので、立ち直りが早いというのです。
コンピュータのソフトにしても、時間をかけて完璧なものをリリースするよりも、不完全でもプレリリース版をいち早く発表した方がユーザーからのフィードバックが早く得られて、ユーザーの使いやすいソフトになります。
人目を気にして格好をつけるよりも、自分の弱さをさらけ出した方が逆に後で強くなるということですね。
人はみんな心に仮面と鎧をつけている
人は傷つくのを恐れるあまり、成長するに従って鎧や仮面をつけて傷つくのを回避するとブレネーは主張します。
その1つが「喜びのさなかの不吉な予感」だというのです。
幸せの絶頂の中にあっても、それを十分味わうことをせずに、「こんな幸せがいつまでも続くわけがない。きっと将来、悪いことが起こる」
程度の差こそあれど、傷つく可能性に先手を打って、あらかじめ失望しておくというのです。
上島さんは最近、お笑いだけじゃなく、性格俳優としても、ドラマに途切れなく出演していました。その評価は高く、コロナ感染で亡くなった上島さんの師匠とも言える志村けんが期待されていた俳優としてのポジションも確立しつつありました。
新しいチャレンジに成功しても、逆にそれよりも不吉な予感の方が大きくなって、心を覆い尽くしてしまったのかもしれません。
この不吉な予感を払拭するには、1.平凡な喜びを見逃さない。2.今もっているものに感謝する。3.喜びを浪費しないことだといいます。
喜べるときには全身でたっぷりと味わうことが、生きていく力になるといいます。
子どものように無防備に喜びを感じるのが大事なようです。