多くの芸人を巻き込んだ投資騒動で松竹芸能を退所したTKO木本武宏が釈明会見を行いました。
本人の言い分では芸人仲間を騙すつもりはなく自分も被害者の1人だと言うこと。
木本は松竹芸能の風紀委員長と呼ばれるくらい真面目なキャラでした。一体何が彼を狂わせたのでしょう。
そこには人が投資詐欺に巻き込まれる理由が隠れていました。

 

風紀委員長TKO木本はなぜ詐欺の片棒を担いだのか

 

都合のいい情報だけを汲み取っていた

 

木本はFXを独学でやり始め、やがて芸人仲間では特にFX通と呼ばれるほど詳しくなります。
そして今回の投資話を持ち込まれ、相手をFXの専門家と信じてしまいます。
大金を注ぎ込んでいるうちに「あれ?おかしいぞ」と思うことも、何度かあったようです。
しかし、その違和感を信じなかったのは、自分にとって都合のいい情報しか汲み取らないチェリーピッキングという状態に陥っていたと思われます。
木本自身が一番騙されているのに、一番の信奉者になって、投資話を芸人仲間に宣伝して回りました。
まるで、宗教に洗脳された人が自分も搾取されているのに、人にも勧誘するような状態です。

 

自分にだけはおいしい話が来るという思い込み

 

さらにFXの失敗を取り戻そうとして、不動産投資にも手を出し、こちらの方でさらに被害を拡大しました。
特殊詐欺に騙された人が「特殊詐欺の被害を取り戻します」と呼びかけ着手金をもらってトンズラされるような状態です。まさに泣きっ面に蜂。
最初の投資話でこりてもよさそうなものですが、なぜ分別のありそうな木本が二度も騙されたのでしょう。
会見で木本は「この世にはおいしい話なんてないと思いながら、自分にだけは来ると思っていた」と語っていました。
毎年多くの若者が芸人の道に入ります。しかし、お笑い界であの年齢まで活躍している芸人はごくわずか。才能と努力もさることながら、運の要素が強いといいます。
芸人達もなぜ自分が売れたのか分からない人も多く多くの売れっ子芸人が俺は「運がいい」と思っているようです。
「運がいい」と思っている信念が、売れっ子になることで補強され、さらに「運がいい」と信じ込むようになります。
これを「信念バイアス」といい、ちょっとやそっとでは拭いきれないそうです。
木本はFXで失敗して落ち込んでもいいはずなのに、やはり自分の信念バイアスに引きずられ、不動産投資が来たときに「よっしゃ、これで取り戻したろ」と思ったのかもしれません。