「射精道」というタイトルからすると、男性週刊誌的な精力増進法を勧める本と思いきや、著者今井伸氏は泌尿器科外来の現役の医師で至って真面目な本です。
その中で語られる生殖器に関する知見は、今まで常識だと思われることとは真逆で目からウロコが落ちます。例えば、日本では古くから貝原益軒の「養生訓」に代表されるように、欲を謹んで精を惜しむことが健康長寿の道だと言われてきました。
しかし、本著では性欲を抑えるのはかえって身体によくないと主張します。
男女問わず、性機能を使わなくなると、廃用性萎縮となり衰えてしまうというのです。
むしろバンバン高齢になってもバンバン使った方が身体にいいのです。
また「妊活」のためには回数を抑えて、精子を溜めてから行った方が、成功しやすいという説がありますが、それもまた妊娠の可能性を低めるそうです。
やはり、妊娠のためには数打ちゃあたるで回数をこなした方が、妊娠する確率も上がるそうです。
「射精道」で書かれている驚きの新事実はこれだけではありません。
中年男性がなぜ若い女性に浮気するのか、そのメカニズムも分かってきました。
男女の性ホルモンの分泌量の差が浮気の原因?
アメリカの研究によると男性の性ホルモンの機能は18歳を頂点に徐々に衰えていきます。一方、女性の性ホルモンは20代から30代を頂点にして、男性の14~15倍もの性ホルモンを分泌し、40代を境に急激にその分泌が減っていきます。男性の方がホルモンの分泌量が少ない代わりに衰えていきかたが緩やかで、50代60代になっても性ホルモンは分泌されるようです。そのために同年代で結婚した場合、夫の方がまだ性的欲求があるのに、妻の方はすっかりその気がなくなってしまうということになるようです。その上、年齢を重ねると女性は性交そのものよりもスキンシップの方を大事にするようになります。しかし、男性の方は相変わらず射精に快感を求めます。となると夫の方は、相手をしてくれる若い女性の方に目を向けるようになるというワケです。
動物として人間を見てみると、中年男性が性ホルモンが大量に分泌されている若い女性に惹かれる理由が分かるような気がします。
また、男女の性の意識の差がお互いに分かり合えたら、夫婦関係をもっと円満にすることもできるはずです。