パートナーに裏切られても別れる踏ん切りがつけない大きな理由が、孤独になる恐怖ではないでしょうか? 「このまま一人のままで死んでしまうかも……」これまで幸いにもパートナーに恵まれてきた人は孤独を極端に怖れてしまいます。でも周辺を見渡してみてください。案外世間には一人でも幸せそうにしている人も一杯います。慶応大学大学院で幸せを研究する前野隆司さんの著書『幸せな孤独』は一人でも楽しく生きていく方法を教えてくれます。
今の囚われから解放されると孤独も幸福になる
冒頭で前野教授は「孤独は不幸ではない」と断言します。幸せな孤独も実現できるというのです。そのためにはまず今から離れなければなりません。孤独を不幸だと感じている多くが目の前のことに囚われている。現在の悩みを振り切るには人生で起きたことを少しでいいので紙に書き出すことです。確かに悪いこともありますが、いい思い出もあったことに気がつくはずです。また自分の内面にベクトルを向けると自分の不幸を嘆くことに向かいます。ベクトルを外に向けて人に喜んでもらう利他の心が孤独感を癒やしてくれます。状況は変わらなくても、心の状態や考え方が変われば見える景色が変わります。
幸せな孤独を身につける3原則
前野教授は孤独な人が幸せになれる原則を3つにまとめています。
・うけいれる
「うけいれる」は自己受容です。孤独に悩んでいる人は、ありのままの自分を受け入れることができません。自分が不幸だと思っていることを列挙し、それが悪い心のクセだと気づき、苦しんできた自分をゆるしてあげること。不幸の要素がなくなれば、どうやって幸せになろうかとステップアップできます。
・ほめる
ここでいうほめるは自分をほめることです。孤独感から抜け出せない人は自分の魅力や特徴に気づいていないところがあります。それどころか自分には何もないと自己卑下に陥りやすいものです。自分にできることを並べて、なかなか自分も面白い人間だなとほめてあげましょう。
・らくになる
「らくになる」とは楽観性です。ネガティブな気持ちばかりで頭が支配されている人には酷ですが、自分をほめる作業を進めて自分の良いところを発見できるようになると、ハードルが低くなります・
たとえ状況は変わらなくても「もうダメだ!」と思うと気落ちしてしまいますが、「なんとかなる!」と思えば気力も湧いてきて、困難だと思っていたことも案外とあっさり乗り越えられるようになります。
3つ同時に行うのは難しいですが、まずありのままの自分を受け入れることで、道が開けてくるでしょう。