女性週刊誌の記事によると杏さんと離婚した東出昌大さんは、養育費を3万円、1人に1万円しか払っていないのだとか。
おしどり夫婦がウリだったのに不倫のため離婚。
CMの違約金が2億円で多額の負債を抱えた上に、イメージダウンで仕事が激減しているので、収入がないのでしかたがないかもしれません。
杏さんは東出さんの窮状を見かねて、慰謝料も請求しなかったそうです。
杏さんはCMに何本も出演しているので、収入に関しては全く心配ないでしょうが、シングルマザーには過酷な現状が待っているようです。
最新の離婚事情を考察します。

深刻化する養育費未払い

 

厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯」の調査結果によると、母子家庭で養育費を受けたことがないと答えた母親の割合は56%で、全体の5割以上でした。
「継続して養育費を受け取れている世帯」が24%で「過去に受け取ったことがある世帯」が15%でした。
継続して養育費を受け取っているのは四分の一でした。
養育費を受け取っている世帯が少ないのは離婚時に養育費を決めてないのが大きな原因だといいます。
その原因のほとんどが夫側にあり、多額な借金があって養育費が払えない。
DVなどで接近すると危害を受ける可能性があるので、相手と関わりたくないなど。
離婚の約9割が協議離婚で家庭裁判所を通さず口約束で養育費も決めるため、その後音信不通になるケースが多いからのようです。
家庭裁判所で離婚調停をすれば養育費・慰謝料などの調停調書が作成され、夫が約束を守らなかった場合は強制的に給料から天引きされるなどの措置がとられます。
一方、離婚協議の場合は法的強制力がなくて、支払わなくても罰則がありません。
こうした場合は公証人による公正証書を作成しておけば、離婚後にも合意内容が証明されて、きちんと養育費が支払らわれます。
現法務大臣は離婚届けの書式に子供の養育費を公正証書で取り決めているかを、チェックする欄を追加すると発表しました。

 

不貞行為で離婚するのは全体の1割

 

離婚を専門で扱う弁護士の話によると、不貞が離婚原因に占める割合は1割ていどということです。
多くの離婚は経済的な面が問題のようです。
法律事務所にもちこまれる離婚の相談は大半が離婚後の経済的な問題のようです。
結婚していると夫の金銭問題で妻子が迷惑を被る。
離婚した方がましという状態なので、慰謝料・養育費をもらえるどころじゃないというのが実情のようです。
仮に妻が夫の浮気を知っていても、離婚すれば困窮するのが目に見えているので、やむを得ず浮気に目をつぶり離婚しない事を選んでいます。
というのも、表面上の慰謝料は100万円から1000万円程度と相場が決まっていますが、実際には財産分与と慰謝料をまぜこぜにしたわずかな解決金で手を打ち、養育費をわずかに確保するだけです。

給料をもらって独身になった元夫に対して、子育てをしながら生活のために働かないといけないシングルマザーの方が断然生活が苦しくなります。

 

離婚するのは高収入か貧困層

 

離婚が多いのは高所得層か貧困層のどちらかと言います。
高所得層の場合だと離婚原因は性格の不一致で、離婚した場合も夫の収入が充分あるので、慰謝料・養育費を問題なくもらえることができます。
ということで、高所得層の夫の浮気が見つかった場合、妻は探偵に調査を依頼します。
調査料を払っても、慰謝料養育費をもらえるメリットがあるからです。
一方、貧困層の離婚理由は経済的な問題です。
こちらの場合は結婚しても苦しいでしょうが、離婚すればさらに厳しい現実が待っています。
貧困の基準には、絶対的貧困と相対的貧困があります。
絶対的貧困とは衣食住に事欠く深刻な貧困ですが、相対的貧困はその国の平均所得より半分以下の場合を言います。
なんと2009年の日本のひとり親世帯の相対的貧困率は主要30カ国のうちの最下位でワースト2位のアメリカよりも10%以上も高いのです。
一見豊かなように見えますが、もっとも格差が激しい国のようです。
貧困層のシングルマザーは、定収入の家庭に育ち、低学歴になる傾向があります。

 

シングルマザーは時間が足りない

 

さらに日本のシングルマザーは労働時間が長く、結婚している男性並に働いているにもかかわらず、育児はワンオペです。
男性並に働くところをみせないと給与はもらえないので、どうしても長時間労働になる。
休みになったら、平日に子供達とあまり時間が作れなかった分育児に専念しなければなりません。

なんの支援もなければ、ずっと休む暇なく働き続けなければなりません。
統計でも世界の中でも、日本のシングルマザーが一番仕事・家事時間が飛び抜けて多いのです。
ところが仕事・家事に時間をとられて育児の時間が世界のどこよりも少ないということが分かっています。
ちなみに結婚男性の労働時間は世界のどこよりも長く、結婚女性の家事時間は世界のどこよりも長いのです。結婚男性の労働時間が長すぎることが、結婚女性の家事時間が長い原因でしょう。
その両方を担っているシングルマザーが過酷なのは言うまでもありません。