2021年5月女優深田恭子さんが適応障害で芸能活動を休止しました。
昨年は三浦春馬さんや竹内結子さんなど、多くの芸能人が突然の自殺が相次ぎました。
残念ではありますが、深田恭子さんが所属するホリプロでは、芦名星さん、藤木孝さんが自殺しました。
芸能界のメンタルヘルスが浸透して、事前に心の変調に周囲の人が気づくようになったので一歩前進したようです。

 

 

適応障害とは? コロナ禍で急増中

適応障害とは当事者にとってのストレスが続き、その結果精神状態や行動に変調をきたすことを指します。
精神面の症状では気分が落ち込んだり、涙もろくなったり、不安が強まったり、イライラしやすくなります。
行動面の症状では、物を壊したり、遅刻、欠勤が続いたり、過剰に飲酒したりします。
気分の落ち込みが出て、うつ病と似ているところがあります。
うつ病だと思って診断を受けた適応障害と診断された。
最初は適応障害だと診断されたが、途中で病名がうつ病に変わったというケースはよくあります。
適応障害になった人の事例では、家族の1人がうつ病なので理解してくれると思ったら、「あなたは病気じゃなくて、仮病でしょ」と理解されず、苦しんだという人もいます。

コロナ禍で、リモートワークが増えて、人と直接やりとりできない。
親しい人との会食もなかなか難しく、旅行、スポーツ、観劇などストレス解消できる手段を奪われてストレスが貯まる一方。
こんな状況がますます適応障害になる人を増やしているようです。

 

適応障害とうつとの違い

適応障害の判断基準は

・はっきりとしたストレス因がある
・通常感じるストレスの反応より大きい
・ストレスにさらされて3ヶ月以内に発症する
・ストレスから解放されると、半年以内に回復する
・他の精神疾患ではない

とされています。
とくに重要なのはストレス因で、上司がかわった、職場環境が今までとガラリと変わったなど、
ストレスになる原因がはっきりしていて、イライラしやすくなり気分が不安定になった場合は適応障害を疑ったほうがいいでしょう。

ストレスの原因が特定できない、ストレス原因と離れても落ち込みやイライラがおさまらない場合。
うつ病は発症するまでゆっくりと発症していき、治るのにも時間がかかります。
しかし、適応障害でもストレス因を取り除くことができずに、症状が長引くと、悪影響が出てうつ病に発展するケースもあります。
うつ病に発展する前に、早期に発見してストレス因を取り除くことが大事になります。

深田さんの場合だと、ドラマ・映画・CMであっても常に違うスタッフ・共演者と仕事をしなければならない上に、主演という立場で作品が失敗すると戦犯扱いされるというプレッシャーに常にさらされ続けていました。

一見華やかに見える世界ですが、想像以上に精神的に苦しい環境におかれる仕事のようです。一般の仕事以上にストレスのある仕事なのに、なぜメンタルケアがおざなりになっているのか不思議です。

 

適応障害の治療法はまず休むことが第一

 

コミックエッセイ「適応障害 治した私/支えた私」では適応障害の当事者と支えた人の闘病談が赤裸々に語られています。

第一に適応障害になるストレス因が上司からのパワハラと仕事の業務がキツいことです
その他、学校や家庭でも急に環境や身近に接する人が変わったら発症するようです。

適応障害の場合、ストレスの原因が取り除かれない限り、一時的に治っていても、同じ環境に戻るとまた発症してしまいます。

第一には休むことが大事ですが、ストレス原因をなくす意外に根本の治療法はありません。
部署を変えてもらう、会社を辞める以外に治しようがないのです。

本書に登場した金ドンドンさんは「自分がキラキラ輝く環境でないなら、そこにこだわらなくていい」と適応障害で苦しむ人に訴えています。

 

まわりの人の理解とケアが当事者を救う

しょにさんはまず自身が適応障害を発症、医師のアドバイスで休職します。
最初は1ヶ月間、何をやっても楽しくなく、外出がはばかれて引きこもり状態でした。
2ヶ月目からやっと、日中の散歩や外出して、普段の生活を取り戻せるようになりました。

治療中は同じ病の人や心の病に関しても、理解ある人に声をかけてもらい、家族は普通に接してくれて、それが支えになったと言います。

復帰後は別の部署に異動になり、3ヶ月をかけて通常勤務になりました。

その後、今度はしょにさんの母が適応障害を発症します。
それまでの作業系の仕事から事務仕事にガラッと仕事内容が変わっていました。
自分が経験しているので、いち早く母の異変に気がつき、診断をすすめたことが、早期発見につながりました。

しょにさんはまずしっかり休む。そして、何をするにも余裕をもってゆったり行動する。
適応障害に関する本を読むことを勧めています。
ケアする立場になったら、1人で抱え込まずに悩みを誰かに相談する、担当医師に相談するのも大事だと言っています。