多くの小学校ではなぜか通学の時は、保護者や学校の先生が通学路のポイントに立って、大人の目があります。
ところが下校となると、バラバラになりがちで、通学路が遠くなるほど危険度がアップします。
保護者が小学校低学年の子供に安全教育を教えるための清永奈穂著「いやです、だめです、いきません」は小学生じゃなくても安全に暮らすための教えがたくさん散りばめられています。

 

 

安全マップを作って、近所のお店、危険な場所を把握しておく

 

子供たちが自分で自分を守るためには「安全基礎体力」が必要だと言います。
保育園・幼稚園までは全部保護者の送り迎えがありました。
安全基礎体力は0歳では0ですが、3歳ぐらいから身につけることができます。
そのための基礎がおさんぽマップ=安全マップだと言います。
お休みの日に、ランドセルを背負ったお子さんと一緒に通学路を歩きます。
紙に学校と自宅を描いて、そこに線を引き通学路を描きます。
通学路にお店や、ご近所の人がいると、知っている人とあいさつをしておきます。
そしてあいさつをしたお店や家を描いておき、近所の人に気にかけてもらうことが大事です。
小さい頃からあいさつを行っておき、お世話になっている人、顔見知りの人が増えると、あぶない人が近づきにくい地域になっていきます。

 

こどもにあぶないことがおきる場所とは?

 

清永さんが数々の元犯罪者から子供をどこでおそったかを尋ねると、やりやすいと思ったときを見逃さずにすかさず犯行に移っているそうです。
つまり、いつでもどこでもあぶない場所になりうるのです。
犯罪者にとってやりやすいとは、
その子やその場所に近づきやすい。
その子やその場所から逃げやすい。
直感的に「好みの子供」「やりやすい場所」だとやりやすい。
この中の要素が1つでもあれば、やる気が生まれ、3つが全部そろえば完全に実行に移すそうです。
そして、その場所はひまわりで表現されます。
ひ=ひとりになるところ
ま=まわりから見えない、見えにくいところ
わ=わかれ道、わき道やうら道の多いところ
り=利用されてない家や空き地があるところ
あぶないことはホンのちょっとの短い時間でも行えます。
安全マップにひまわりの場所を描き足して、危険な地域でうろうろしないで早く立ち去ることが重要です。

 

あぶない人は「はちみつじまん?」

 

あぶない行動をするひとは、へんな人として街にあらわれ、あやしい人になり最後にあぶない行動に移るといいます。
へんな人とは挙動不審な動きをする人で、早い段階でへんだなと思ったら、一刻も早くその場を逃げようにしましょう。
あぶない人の行動は以下の通りです。
・話かけてくる
・近づいてくる
・みつめてくる人
・ついてくる人
・じっとまっている
・ん?と注意
あやしい行動はすぐに犯行につながるので、気をつけたいです。

 

ねらわれやすいあぶない子供は

 

ねらわれやすい子供は目立たないタイプと逆に目立つタイプに大別できます。
・弱虫タイプ
おどおどして常に怯えているタイプは犯罪者にとってコントロールしやすいです。
・おませタイプ
・アイドルタイプ
上の2つのタイプは見た目が派手なので、性犯罪の被害になりやすいです。
・おひとりさまタイプ
・瞬間おひとりさまタイプ
グループで行動せずに1人で行動するタイプ、もしくは急にグループから外れて1人になってしまうタイプです。
・ボンフラタイプ
・キョロウロタイプ
ボンフラはぼんやりしてふらふらするのんびりタイプ、キョロウロはキョロキョロしながらウロウロするタイプです。真逆の性格ですが、犯罪者にとってはいつどこにいくか分からないので、引っかけやすいタイプです。
・ぐずぐずタイプ
・純な子タイプ
ぐずぐずしている子は優柔不断で自分で意思表示できません。純な子は素直過ぎて、疑うことを全く知らないタイプです。
いずれも犯罪者にとってはコントロールしやすい性格です。

 

本当に危険な眼にあったらはさみとかみはおともだち?

 

いままでは予防でしたが、実際に危険な目にあったら、どんな行動をとればいいのでしょうか?
・はしる
・さけぶ
・みる
・とびこむ
・かみつく
・はっきりきっぱり断る
・お友達と助け合う

見るはまわりをよく見ることで、飛び込むは近所の店や家に逃げ込むことです。
前もって安全マップに描いたお店や家を思い出してください。
はっきりと断るそのときに本のタイトル「いやです、だめです、いきません」が役に立ってきます。
小学生に指導するために書かれた本ですけど、老若男女、いつでも危険な目に遭う可能性は
あります。
大人になって、「絶対自分は大丈夫」と慢心することが一番危険です。
自分の想定以上の危険がおそってきたときには、「はさみとかみはおともだち」はいずれも有効ですね。
さらに、常日頃から安全マップを作るのは大人にも有効です。
本書ではさらに通学路だけではなく、SNSやネットでの危険も喚起しています。