2021年11月愛知県の中学校で刺殺事件が発生、同級生同士が加害者と被害者になってしまう陰惨な事件でした。
当初はいじめが原因とされていましたが、各週刊誌の報道によると、2人はかねてからの友人で、いじめが発生するような環境ではなかったようです。
修学旅行で起きた出来事が殺意を生む原因になったというのですが……
加害者の少年は普段は大人しかったと言われ、人を殺害してしまうほどのキレ方は脅威です。
今、日本全国で隣人同士のいさかいで殺人にまで発展する事件が相次いで起きており、国全体で自分や他人の「キレ」に向き合い対処する必要が出てきたのではないでしょうか?
「キレにくい子どもを育てる。親子のアンガーマネージメント」

 

 

子どものキレ方の3タイプ

 

感情のキレ方には以下の3タイプがあります。

 

赤鬼さんタイプ=興奮衝動的

 

いろいろな刺激ですぐカッとなりやすい子どもです。爆発するまで止まらないので、途中で止めさせようとすると周りの人が巻き込まれる逆ギレしやすくなる。本人は爆発した後は疲れて眠ってしまい、起きたらケロっとしています。暴れた後始末は他の本人は自分がやってことの責任をとらずにすみます。気に入らないことがあると「キレ」を道具にして、やりたいことを叶える場合もあります。いわゆる「キレ得」。怒らせたら面倒なので、周りの人は本音では離れたいと思いながら離れられないという緊張感のある関係。本人もそのことに気がついているので、余計にキレると始末に負えません。

 

青鬼さんタイプ=不安パニック型

 

不安が強く1人で自分の好きなことや安全なことをするのを好みます。集団活動や人と合わせるのは苦手で、いつもマイペース。 青鬼さんが切れるのは、相手が突然自分のテリトリーに入ってきて、自分が苦手なことをやらせようとする時です。侵入や攻撃と感じ、恐怖心から総攻撃を開始します。 パニックに近い状態のためキレた時の記憶がないのが特徴。
出来事は自分に都合よく書き換えられて記憶されるため、けして嘘をついているワケではありません。

 

凍りつきさんタイプ=よいこの息切れ

 

虐待やいじめ、暴力などつらい出来事が多い子供がなりやすいタイプ。
親の前では良い子でいないといけないため、マイナスの感情を押し殺し、切り離そうとしています。気持ちが平坦になって出来事は見ていても感じない状態になっている場合と、相手によって良い子と悪い子がお分裂して出てくる場合があります。

 

子どもがキレるメカニズム

 

親が見えているのは子どもの心の本の一部。
人間には五段階欲求があると言われそれが叶う段階なら問題ありません。
ところが欲求が叶えられないと
子どもは水面下にいろんな心をイライラや寂しいなどのマイナスの感情になり、それが心の中に蓄積していきます。
マイナスの感情が解消されることなく、心の中に貯まっていくと、ふとした拍子に、本人も無意識にため込んだ感情が「キレる」という行動で表に出てくると言います。

キレやすい子どもは普通のこどもに比べて、自律神経が乱れやすく、考え方もネガティブになりがちで、加えて社会性も低いという3つが揃っています。
社会性が低いので周りの人とぶつかる場面も多く、相手のアドバイスでも攻撃と受け取ってネガティブにとらえ、自律神経もコントロールしにくいので、すぐ怒りの沸点に達してキレるということです。

 

親のタイプ別キレない子どもにするための接し方

 

本には子どもがキレてしまったときの対処法が詳しく書かれていますが、本来ならばキレにくい子どもに育てるのが先決。
親のタイプ別の子どもへの対処法を紹介します。

 

お世話大好き・過干渉タイプ

 

干渉しすぎて子どもに自立心が育たないタイプです。
こんなタイプは、子どもの現状を言葉にして、子どもに対して能動的な聞き方をして、実践的な具体的なスキルや方法を教えてあげて、一緒に考えるといいでしょう。

 

自由気ままタイプ

 

子育てよりも自分の欲求や時間を大切にしたい親は、気まぐれで優しくしたり怒ったりしがちです。
こんなタイプは自分がやりたいことを子どもに伝える。子どもの意見を聞く。話合いをしてお互いの優先順位を理解しあう。スケジュールを見える形にする。
子どもと考えを共有することが大事です。

 

子どもが苦手タイプ

 

子どものエネルギーが強すぎて制御しきれず振り回されるタイプは、子どもに自分の気持ちを伝えて、問題行動が続く場合は限界を設定します。子どもが落ち着くのを待つことも大事です。うまくできたら子どもを誉めることを忘れずに。

 

子どもに頼るタイプ

 

子育てに自信がなく、子どもに頼ってしまうと、子どもの方が親を助ける役回りになって、
早く大人になる優等生になりがちです。思春期が来て限界がきて「よいこの息切れ」が起こり突然、不登校や体調不良を起こすこともあります。
いずれにせよ子どもの意思をよく聞いて、自分の気持ちもはっきりさせて、コミュニケーションをとることが大事のようです。