石川幹人著「生物学的に、しょうがない!」ではこの余のあらゆる問題は「生物学的にしょうがない!」で解決すると語っています。
無理なことは頑張るのをやめて、上手にあきらめることが大事ということですね。

人生は、大きく2つのことに分けられると、いいます。
一つ目は頑張れば何とかすること。つらいけれど努力でなんとかできることです。
2つ目は頑張ってもしょうがないことです。

「信じて努力すれば必ず夢が叶う!」と長らく言われてきました。
「1万時間の法則」と言われ誰でも1万時間練習すれば、「プロになれる」という説が普及しましたが、これものちに根拠がないことが分かりました。

努力を重ねれば、「あなたでもプロ野球選手になれる」「棋士になれる」わけではないのはみんな知っています。
世界記録を達成できるアスリートは、それなりに天賦の才能に恵まれていたに違いないからです。
何かができることもできないことも個性なのです。
できないことが不都合ならば、必ずしもできるようにするのではなく、別の対処法を考えた方が良いことも多いのです。

今回は生物学的にしょうがない事柄の中から。浮気や不倫に関することを中心に紹介します。

 

浮気するぐらいセックス好きなのはしょうがない

 

人間や動物がセックス好きなのは当然です。
セックス好きでなければ、子孫が極めて残りにくいので、世代に引き継がれません。
セックス嫌いの遺伝情報ではそもそもセックスしないから伝わるわけがありません。
つまりセックスが好きな種類だけが地上で生き残っているのです。
チンパンジーの世界では一夫多妻制が当たり前でしたが、それではボスの遺伝子だけが残ることになり種が絶えるリスクが増えます。
そこで人間は一夫一妻制にして、集落同士の争いを減らして、今日の繁栄を築きました。
しかし、これは表向きの話。
本能的にはたくさんメスに自分の遺伝子を残したいという欲望が残っているので、チンパンジーより人間の方が睾丸が大きいのです。
一夫一妻制の中にも乱婚のシステムが紛れ込んでいるのです。
もともと乱婚な遺伝子を持っているので、生物学的にはしょうがないのだそうです。

 

男性がおっぱいやおしりが好きなのはしょうがない

 

男性は子供を産みやすい女性と生殖行為をした方が子孫を残しすいので、おっぱいやおしりが大きい生殖相手を選ぶように進化しています。
それではなぜやせていてウエストが締まっている女性を好むのでしょうか?
生物学的にはウエストが締まっていることは、妊娠をしていないことのアピールになるからだと考えられています。
こうした背景から、女性は体型のラインを強調できればセックスアピールできるのです。
人類の場合、オスは精子のバラマキ戦略ですが、メスは限定した男子1人を選ぶ生殖戦略になっています。
このアンバランスがあるため、女性は相手をしっかり選んでからセックスアピールした方が良いのです。

 

ダメンズに惹かれる女性はしょうがない

 

女性が男性に求める要素は本来的には強さでした。
ところが、文明社会になって体力的な強さに変わって、優しさの重要さが高まりました。
文明社会では狩猟採集時代と違って頑強な男性が食べ物をもたらすわけではなくなったのです。
それに、対して優しい男性は、子供を育てる意識が高いですし、浮気の心配も、小さくて済みます。
現代では伝統的な男らしさの優先が女性から見て低下しているのです。

いわゆるダメ男を意味するダメンズは多くの場合、そうした優しい男性として、女性から人気が出ているのだと考えられます。
女性が社会で家計の維持に必要な資源を稼げれば、男性が専業主婦になることもできます。 実際にそうした家庭も徐々にですが増えています。
まさに女性がダメンズをかこって居られる時代が到来したわけです。

実はダメンズと交際する女性が「共依存」の関係になるケースも多いのです。

表向きでは男性に自立して欲しいと言いながら、実は男性が自分の元を離れていくのが怖い。
だから、男性が自立しそうになると、故意、あるいは無意識に挫折するように仕向けるのです。
なんらかの依存症に陥っている男性とその妻や家族が陥っている関係性です。
こういう場合は依存症の当事者だけでなく、家族も一緒に回復プログラムを受ける必要があります。

これも環境が変わったために、求められる男性も変化してきたせいで生物学的にしょうがないのです。

 

幸せなときには幸せを感じられない!

 

最後にもう1つ。
幸せなはずなのに、ネガティブな気持ちになるのも生物学的にしょうがないのだそうです。
元々、人間は未来志向で、将来幸福になるかもしれないと考えているときに一番幸せを感じられて、実際に幸福な状態になったらそれほど幸せを実感できないようにできているのです。
旅行の前の準備をしているときが一番ワクワクできて、実際に旅行に行ったらそうでもないという理屈と同じですね。
今に幸せを感じられなくてもしょうがない!