相思相愛で結婚したなら、何事もなければずっと安定した関係が続くはず。しかし、環境が変化すると、2人の関係がガラっと変わってしまう場合もあります。その最たるものが妊娠、出産前後。離婚カウンセラーの岡野あつこさんは離婚原因の大半は産後クライシスが原因だと断言しています。なぜ産後クライシスが起こるのか考察してみましょう。

 

 

出産を期に夫婦の関係が激変

 

令和4年度の厚生労働省の離婚に関するレポートによると、2010年代から離婚率は減少していますが、相変わらず「3組に1人が離婚する」という割合は同じで高止まりしています。また結婚後5年未満に離婚する率が圧倒的に多く、結婚後1年後位から妊娠・出産するケースが多く、そこから夫婦の危機が発生することが多いと考えられます。その理由は出産後に夫か妻か、あるいは両方が愛想づかしすることです。

妻は出産で体力を消耗しながら、生まれた赤ちゃんの世話をしなければならないのにも関わらず、夫は家事・育児を手伝わない、妻をいたわらない、浮気に走る、子供がいないときのままのお金の使い方や生活習慣を維持するなど……
夫は、赤ちゃんのかかりきりで、自分に構ってくれない、容姿に構わなくなる、体型が崩れた、出産に立ち会って妻を性的対象として見られなくなった。子供のためにお金がかかるのでお小遣いが減ったなど……

お互いにお互いの不満が溜まって離婚の危機に陥ります。多少のいざこざはあるでしょうが、決定的な離婚の原因になるのが浮気です。妻が妊娠、出産している間は、それまでのように性交渉することができません。落ち着いた年齢で結婚した場合は性欲もそこまでないので、浮気に走るケースは少ないでしょうが、20代30代で性欲が旺盛な男性はおあずけ期間が我慢できずません。

出産前後だと妻は実家に帰る場合が多いので、夫の行動を監視しきれないので、その間に浮気に走る場合が多いようです。また子供が一人だけなら、一度の危機で済みますが、子供が産まれる度に出産クライシスになる可能性があるので、油断できません。結婚50年未満以内の離婚と同じように増えているのが、結婚20年以上からの離婚です。
これも、出産クライシスのときの怨恨が原因で、子「供が産まれたときになにもしてくれなかった」と恨みを根に持って、子供が成長したことをきっかけに離婚を切り出すケースも多いようです。